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遅すぎる!空洞化防止策/貿易自由化に中国・韓国は素早い対応、震災の今がチャンス日本企業の誘致活動

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今がチャンス中国・煙台市:税制優遇や補助金で日本企業誘致
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新華社電によると、中国の山東省煙台市は7月11日、名古屋市や北九州市などへ政府や企業関係者からなる代表団を8月に派遣すると明らかにしました。両地域には精密機械や自動車部品などの製造業が多く存在しており、代表団は生産拠点を海外へ検討している企業の誘致を目指すとしています。急激な経済の成長で日系企業への人件費アップなど、進出後のトラブルに懸念は残るものの、煙台市は山東省最大の漁港を有する町ですが、日本からの進出企業に対し税制優遇措置や補助金交付などおいしい餌で日本企業の誘致を試みるようです。

国内産業のダメージ連鎖/TPP先送り、原発ストレステスト、高額の法人税
国内産業の環境は、原発事故による風評被害や消費マインドの低迷、電力供給不足に円高が加わり、高い法人税、貿易振興のTPP(環太平洋経済連携協定)の話も先送りとなりました。さらには原発再稼働にストレステストの義務付けで、電力供給不足は長期化も見えはじめ、産業界にとってはダメージの連鎖に我慢も限界を超えています。

電力ピーク時15%削減要請に「できる」大企業29.4%も中小は8.9%
関西経済連合会が会員企業に行った「電力ピーク時15%削減に関してのアンケート」によると、回答のあった400社中13社が電力削減要請を受け、拠点を海外へ移転する検討をしていることが7月11日わかりました。移転率は3%に過ぎませんが、その川下には数十、数百の中小企業や零細企業が紐づいており、一社の拠点移動による下請けのダメージは計り知れません。ピーク時15%の電力削減を「できる」と応えたのは大企業が29.4%に対し、中小企業では8.9%に過ぎず、電力供給不足が長期化すれば生産減少によって拠点を海外へ移し、産業の空洞化はさらに進むでしょう。
枝野官房長官は7月12日の会見で、原発の安全評価に関して電力供給不足から企業の海外移転が進む懸念について、「なんとか食い止めるべく最大限の努力をしないといけない」との認識を示しています。政府からは具体的な政策など提言、補正予算案に盛り込むものの、法案成立へのスピード感がなく、最大限の努力もまた後手に回る気配を見せます。

経産省:貿易自由化、TPP参加交渉参加先送り
ASEAN(東南アジア諸国連合)日本人商工会議所連合会の幹事を務めるバンコク日本人商工会議所の棚田会頭は、「ASEAN各国に、自動車部品メーカーを始めとする中小企業が頻繁に視察に訪れるようになった」と新聞社のインタビューに答えています。同会議所にはタイ進出に関する問合せも3~4倍に増え、視察には海外業務に強いメガバンクに顧客を奪われないよう地銀や信金担当者が同行する姿が目立っているようです。

通商白書2011:グローバルサプライチェーン化、国内産業の衰退が懸念
日本の製造業では、リスク回避から生産拠点の分散によるグローバルサプライチェーン(国際供給網)の強化が進み、国内空洞化は雇用機会を損失するなど国内産業の衰退が懸念されます。経済産業省が7月8日に更新した「通商白書2011」によると、国内の立地競争力を高め、海外への拠点移動を抑え、海外企業の国内誘致が重要と描かれています。その政策が貿易自由化だと明記され、TPPへの参加やEPA(経済連携協定)締結国の増加が示されています。TPP交渉参加の判断が先送りになることに疑問が残ります。

経産省:貿易自由化が産業の空洞化を防ぐと強調
経済産業省では、自由貿易化によって関税が相手国と対等となれば、海外へ移転せずとも海外企業と平等に競合し、結果として空洞化を防ぎ雇用を維持すると強調しています。同省では平成22年度、国内に生産拠点を立地する企業に1,100億円の補助金を支出し、6,700億円の投資を誘発したと試算しています。今年度は、リチウムイオン電池など成長産業の強化に、国内空洞化防止策や海外企業の誘致を促進する施策を第3次補正予算案に盛り込むことを検討しています。

韓国・仁川市:経済自由区域に日本の先端部品企業誘致へ
7月1日にEU(欧州連合)とのFTA(自由貿易協定)が発効された韓国は、日本の部品素材企業の誘致に6月に日本企業誘致団を派遣させました。仁川市では経済自由区域にビジネス環境を整え、日本の先端部品企業を誘致し、技術向上、雇用拡大、地域活性化の計画を明らかにしています。

産業界を失望させるせいふの無策状態、2次補正予算の成立メド立たず
いまだ2次補正案も成立せず、無策状態が長引く政府に、首相延命、党利・政局を追い続ける姿は産業界を失望させるだけでしょう。国内設備投資資金の補助や、工場建設基準緩和など施策は出すものの、同時に貿易自由化への国単位での働きかけがなければ経済効果は得らるわけがないのです。


[2011.7.15]

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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
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