全日空:空のエコ機B787初飛行、先端技術:「日本のものづくりの粋が凝縮された飛行機」伊藤社長
燃費20%削減、中型機でも長距離運行、ニューヨークまで直行
7月3日、羽田国際空港に米ボーイング社のB787が初めて飛来。同機は長距離が運行できる次世代中型旅客機として世界中から注目されています。ANAは世界で初めてB787を購入する予定で、同機の初上陸は、羽田や関空、広島など国内の航空設備を問題なく利用できるか検証が実施されます。ANAは、ボーイング社にB787を55機発注しており、今後の成長戦略として、国内や欧州、米東海岸など海外の基幹路線に導入するとしています。
世界が注目するのは燃費効率を20%以上改善し、エコ環境を向上。飛行距離が大幅に伸び、米国の東海岸・ニューヨークまで直行できるほか機体の耐久性を向上させ、静音性、空調・機内気圧の改良など機内の快適さも向上しました。
乗り継ぎの手間なく地方都市へ
ANAは、B787の導入により今まで大型機に見合った需要がなければ就航できなかった長距離路線に、中型機でも飛ばすことができるようになり、ANAの伊東社長は、「ビジネスチャンスを大きく拡大してくれる」と期待を示しています。過去、海外の地方都市へ向かう場合、大型機で主要都市まで飛び、小中型機に乗り継いでから各地方都市へ向かいましたが、同機の導入で効率よく直接地方都市へ直行便を飛ばすことができます。大型機では、乗客が少なくても整備や客室乗務員などは同じサービスをせざるを得なく、結果として航空運賃が乗客に反映。日本の航空会社は世界一高い運賃と常識になりました。市場はアジア新興国を中心に海外へ広がりを見せています。B767はその足として国内外で活躍が期待されます。
受注835機の人気:「日本のものづくりの粋が凝縮された飛行機」伊藤社長
ANAは、平成16年に次世代航空機について、ボーイング社に製造開発を踏み切らせる発注を行い、新型機の製造計画を立ち上げるローンチカスタマーとなってB787の開発に参画してきました。機体全パーツの35%に当たる主翼などが東レや三菱重工、川崎重工など日の丸企業の技術が生かされ、ANAの伊東社長は、「日本のものづくりの粋が凝縮された飛行機」と絶賛。米ボーイング社のオルボー社長も日本を「B787の生みの親の一つ」と称しています。
ANAは、平成16年に次世代航空機について、ボーイング社に製造開発を踏み切らせる発注を行い、新型機の製造計画を立ち上げるローンチカスタマーとなってB787の開発に参画してきました。機体全パーツの35%に当たる主翼などが東レや三菱重工、川崎重工など日の丸企業の技術が生かされ、ANAの伊東社長は、「日本のものづくりの粋が凝縮された飛行機」と絶賛。米ボーイング社のオルボー社長も日本を「B787の生みの親の一つ」と称しています。
B787最大の特徴は東レが供給し、機体の50%以上に構成される炭素繊維複合材で、主流だったアルミに比べ、重量が軽いことから燃料費20%削減の原動力になっています。複合材の強度もアルミに比べ高くなり、設計の自由度が高まりB787では客室の窓が1.3倍と視界が大きく広がりました。日本企業の中型機への開発参画と最先端技術による長距離飛行を可能にしたB787は、既に各国から835機注文が入る人気ぶりです。
燃費向上、国内外兼用、ウォシュレット要望はローンチカスタマーの特権
ローンチカスタマーとなったANAは、B787の1号機を受け取れる特権の他に、日本の航空市場のニーズを反映させることができました。ANAは平成16年8月に米国シアトル郊外のボーイング社の巨大工場に4人の技術者を常駐させ、設計段階から日本側のニーズを反映させました。ANAの要望は燃費の向上や国内の短距離、海外の長距離が多頻度で飛べ兼用できることなどB787に反映させました。操縦室のワイパーには夏の害虫を考え、ウォッシャー噴出装置が装備され、トイレもウォシュレットに変更されるなど主張を通しました。機体の35%を日本企業が受け持ち、これらの要望に見事応えられ「純国産機」は日本の空を飛び立とうとしています。
検証プログラムは、国内で7月7日まで行われ、9日にシアトルへ帰還。本機納入は第3四半期と就航開始は10月の見通しとなりそうです。
トラックバック(0)
このブログ記事を参照しているブログ一覧: 全日空:空のエコ機B787初飛行、先端技術:「日本のものづくりの粋が凝縮された飛行機」伊藤社長
このブログ記事に対するトラックバックURL: http://www.h-yagi.jp/mt5/mt-tb.cgi/505
コメントする