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アリババの「タオバオ」10兆円EC市場!/JETRO中国進出支援新事業、上海ショールーム常設

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店舗と展示会、ネットの相乗効果で中小メーカー商品、ブランディング支援
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JETRO(日本貿易振興機構)は6月27日、中小企業の中国市場開拓支援事業として「ジェトロ・アジア・キャラバン事業」を7月12日から始めると発表。支援事業は平成24年1月末まで上海市内のオフィスビルに常設の日本製品ショールームを設け、生活用品や化粧品、雑貨、スポーツ・レジャー用品などを展示。商品は、製造・販売する100社の約500品を展示され、中国最大のEC(E-Commerce:電子商取引)サイト「淘宝商城(タオバオ)」にも「グッド・グッズ・ジャパン」を立ち上げ、ブロガーなどを活用し、販売促進活動や動向、マーケット調査を行うとしています。
販促活動では、上海や天津、成都などの各都市で展示会や商談会、アンテナショップなどを実施。ネットと店舗の相乗効果でBtoB(企業対企業)からBtoC(企業対消費者)まで様々なツールでアピールし、売り込みを支援します。参加企業約100社中、初めて中国へ進出する企業は約4割で、被災地からも18社が震災復興特別枠で無償で参加しています。

毎年2倍づつ成長「タオバオ」中国EC市場の約8割占め
中国電子商務研究センターによると中国のEC市場は平成22年に約6兆7,000億円に拡大し、「タオバオ」はこのうち約5兆2、000億円と約8割を占め、毎年2倍増と成長し続けています。平成23年も6月までに前年同期比80%増と勢いは止まらず、今年は10兆円市場と見込まれています。CNNIC(China Internet Network Information Center)の「第27回中国インターネット発展分析報告」では、ネットユーザーは4億5700人でモバイルユーザーは3億0300人と、ともに前年から約7,000万人増加する巨大マーケットとなっています。
日本国内のEC市場は、平成21年に6兆6,000億円と国内の百貨店の売上に並び、平成27年には12兆円とスーパーの売上に迫ると予測されますが、中国の旺盛な消費意欲に日本EC市場はいとも簡単に追い越されました。中国EC市場のニーズを見極め、時に商品の改良や改善でヒット商品を続出させたいものです。

中国ECサイト:チャットで値引き好調が当たり前
「タオバオ」を運営するアリババ・ドット・コムとソフトバンクが合併会社化したアリババ株式会社は、「タオバオ」への直接出店をワンストップで支援する「タオバオパスポート」のサービスを開始しました。「タオバオパスポート」は、「タオバオ」内で自社の商品を販売できる公認のサービスで、3億7,000万人以上のタオパオ会員に販売できます。同サービスには、低価格で「タオパオ」のBtoC向けのショッピングモールに直接出店でき、自社のプロモーションなど行えるタイプと、「タオパオ」内の日本製品販売ページ「タオジャパン」を利用するタイプの2種用意され、販売規模によって選べるようになっています。
「タオバオパスポート」を利用することによって面倒な中国当局の許認可取得などの手続きや物流・倉庫、宅配業務、マーケティングなどが一貫して代行されます。「タオバオ」にはオペレーターによるカスタマーセンターがあり、中国EC市場での販売で欠かせない存在となっています。中国のECビジネスでは消費者がチャットを利用し、店頭でものを購入するように接客することが当たり前となっています。アフターサービスを重視する日本と違い、チャットによって価格交渉することも購買行動の1つとなっています。

中国消費者:ネットで価格交渉8割、口コミ投稿9割
中国独自の商習慣であるECサイトでのチャットでの価格交渉は、日本のEC市場には見当たらないでしょう。経済産業省の調査によると、中国消費者の77.6%がネットで価格交渉をしたことがあると答えています。商品の仕様や機能、使用方法などに関する問合せも多く、頻度も日本よりはるかに多いようです。また、商品購入後の行動については9割以上がレビューや口コミサイトを通じ、商品の評価情報を発信しています。中国消費者はレビュー、口コミサイトなどを通じ、商品を認知し購入する傾向が強く、中国でブランディング力のない中小企業などの商品販売に高い評価を投稿してくれるかが鍵となりそうです。この点では日本のEC市場と同じで、影響力のある人物に使わせ、認知度を広め拡販するなどバズマーケティングも成功へのポイントとなりそうです。
原発事故による風評で日本の安全神話は崩れたといえ、中国では「Made in Japan」は品質が高いことは今も定説で、富裕層を中心に日本製の電化製品や子ども向け商品など、高くても惜しみなく出費します。消費意欲旺盛な新しい市場にチャレンジして新しい顧客の反応、ニーズを掴み、本格的な中国進出を果たしたいものです。


[2011.7.1]

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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
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