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経団連「通商戦略に関する提言」:復興に寄与!TPP参加、サプライチェーングローバル化へ

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TPP新情報/日本無視できない:TPP参加国貿易額の1/4が日本向け
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日本経団連は4月18日、東日本大震災の復興に寄与するためにもTPP(環太平洋経済連携協定)への参加を急ぐべきだと政府へ向け、「通商戦略に関する提言」がまとまったと報道がありました。政府はTPPでの交渉の参加の否かを6月に決定するとしたものの、震災による原発事故、風評被害、電力不足問題などから対応が遅れ先送りを示唆しています。日本経団連の提言は、震災による国際的なサプライチェーン(供給体制)の混乱を教訓に体制のグローバル化。さらに米国やEU(欧州連合)とFTA(自由貿易協定)を結ぶ韓国など、海外企業とのシェア争いに遅れをとる事を懸念。日本経団連では、「参加棚上げ論を聞くが、関係省庁から連絡は来ておらず早期参加に向けた政府のスタンスは不変だ」と協調しています。


TPPには日本がの参加しなければ意味がない
TPPは、FTAAP(Free Trade Area of Asia-Pacific:アジア太平洋自由貿易圏)にもつながる重要な協定で、日本が参加となれば、参加国のなかで日本の貿易額は約25%を占めることになります。今年11月の合意を目指す参加国の一部からは、「日本が参加しなければ意味はない」との声も聞かれます。日本経団連では、TPPへの参加が見送られれば、企業の売上減少、国内の生産拠点を海外へシフトせざるを得ないと困惑しています。

農協新聞アンケート:全国市町村長38%参加反対は少ないか
TPP参加表明国側から見れば、震災によるサプライチェーンの混乱で、半導体関連などの部品を待つ国内外の工場が操業を停止するなど、日本の製造業の重要性を再認識させられたことでしょう。部品が供給されなければ企業の収益へ減少し、雇用にも影響が出る事は間違いなく、短期間で代替えの部品を供給しようも日本の高い技術が障壁となりままらないでしょう。TPP交渉参加へ日本経団連より参加表明国の方が歓迎しているとも言えるでしょう。暗いニュースが続くなか、産業界には一筋の灯りが見えてきた感があります。
一方、TPP参加に反対する意見も未だ多く、農業協同組合新聞が3月から4月にかけて全国の市町村長1,750人に向けたTPP参加へのアンケートでは、有効回答数605名のうち構成比38%が参加に反対し、賛成は8%にとどまったようです。媒体の属性からみて以外に反対が少なかったようにとれます。なかでも態度を決めかねている市町村長は56%も占め、地元の農業、産業界を頭に入れつつ慎重になっていると推測されます。

先進国ではトップレベルの消費者負担、年間4兆円
平成の開国、貿易の自由化が国のリーダーから発せられ、産業界やTPP参加表明国からも交渉参加が促されています。一方、日本の農業は、米価の維持を政策として減反、農家への保証と40年近く続け、海外からは500%近い関税をかけ米農家を保護してきました。その結果、消費者は価格の高い米からパンなど小麦食が増え、減反によって耕作放棄地を拡大させてきました。さらに米、小麦以外の農産物では、日本は他の国よりも関税が低く、野菜など東南アジアからの輸入が増え、より国内の自給率を下げる結果となりました。

日本の農業保護値(PSE)は88%!異常な高さ/農家保護明らか
日米欧30ケ国の先進国が加盟するOEDC(経済協力開発機構)が算定しているPSE(農業保護)値を見ると、各国政府が農家に負担する「財政負担」がありますが、消費者が高い国内米を買う事で農家を支える「消費者負担」では、平成18年では米国の17%、EUの45%に比べ日本は88%(約4兆円)と、ほぼ消費者が選ぶ権利も与えられず農家を支えているのです。この矛盾した構図でありながら、これからも農家を保護するのか疑問が残ります。

農業就労者平均年齢65歳世代交代は農業政策の転換
日本の農業は、就農者の平均年齢は65歳で最も多いのは75歳と高齢化となってるのが実状です。世代交代を考えても、過去と同じ農業政策であれば引き受け手もいないでしょう。米、小麦を除いた農産物の関税は12%と韓国の62%の比ではありません。すでに国内市場では海外農産物は解放されているのです。TPPへの参加で、規模を拡大し、安全でおいしい付加価値のある農産物の生産。新しい市場に向け輸出拡大を図りたいものです。

選ぶのは消費者、例外なき関税
TPPの第6回拡大交渉会合は4月1日、シンガポールで協議を終え合意に至らず、6月のベトナムでの交渉で協議が継続されます。米国は乳製品や砂糖などを関税撤廃から例外措置を求め、米国へ輸出を狙うニュージーランドやベトナムは強く反対とありました。TPPは実質全品目で段階的に関税撤廃なのです。日本の米やバター、砂糖なども例外は認められません。選ぶのは消費者です。おいしい日本の米を求める海外の富裕層消費者は、やや高くても日本米を買うものです。

本当の復興は元通りにするだけではない経済の将来が大切
農地や工場を元通りに戻す事だけではありません。国内市場は少子高齢化や製造業の海外拠点シフトと減少傾向がこの先も続きます。農業は高齢化、耕作放棄地の拡大で崩壊が迫られています。復興と同時進行で、農業、産業の貿易にTPPを活用し新しい市場を開拓。政府支援のもと、生産品の輸出を拡大させ、震災前の先行き不透明だった経済を発展の年としたいものです。

[2011.4.21]

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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
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