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東商リサーチ:地震関連倒産6件/震災不良債権の拡大局面、地域金融の問われる真価

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企業倒産状況20か月連続改善のデータ報告はされたが・・・
東京商工リサーチは4月8日、平成22年3月度の全国企業倒産状況を発表しました。倒産件数(負債額1,000万円以上)は1,183件。前年同月比9.9%減で、20ヶ月連続で前年同月を下回っています。負債総額は同13.0%減の2,702億4,400万円。5ヶ月連続で前年比改善を示しています。
同時に発表された平成22年度の全国企業倒産状況においても、倒産件数は前年度比11.3%減の1万3,065件で2年連続の減少。負債総額は4兆7,245億8,400万円。こちらも2年連続で前年を下回り、20年ぶりの5兆円割れとなりました。
この倒産件数減少傾向については、景気対応緊急保証制度中小企業金融円滑化法などによる金融支援を柱とした経営支援の効果が挙げられています。東日本大震災の影響による「震災関連倒産」が3月末日までに6件発生しており、今後徐々に増加すると見られています。

地震が原因で店舗ガス爆発の老舗百貨店が民事再生申請
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創業明治29年、北東北を代表する老舗百貨店の株式会社中三(青森県青森市新町1-7-1、向中野光秀社長)は、3月30日青森地裁に民事再生法の適用を申請しました。
東日本大震災発生後の3月14日に盛岡店で発生した、ガス漏れが原因と見られる爆発事故が決定的なダメージを与えました。5期連続の赤字を計上するなかで、億単位の資金が必要と見積もられる店舗の修復の見通しが立たず、今回の決断に至ったものです。

「商店街と共存共栄」営業再開応援ムード高まる/スポンサー候補5社
地域のシンボルともいえる百貨店の倒産に地元も驚き、「地域住民にとっては必要不可欠な存在」と早期の営業再開を求める声が上がりました。建物に被害の無い青森店と弘前店は4月9日より営業再開。閉店しているテナントはあるものの、買い物客の賑わいを取り戻しています。
民事再生手続き開始決定は4月中旬になる見込みですが、4月2日に開かれた取引業者に対する説明会では、事業再生を支援するスポンサー候補が民事再生申請時の3社から5社に増えたことが明らかにされました。

金融機能強化法申請の仙台銀行/地元事業所を全力支援の決意
宮城県の仙台銀行(仙台市青葉区一番町二丁目1番1号、頭取:三井精一氏)は4月11日、復興資金の貸し出し需要に対応するため、金融機能強化法に基づいて公的資金の注入の申請を検討すると表明しました。同時に、4月中の最終合意が予定のきらやか銀行(山形市旅篭町3丁目2番3号、頭取:粟野学氏)との経営統合の延期も発表。三井頭取は「地域金融機関の真価が問われている。自己資本基盤を強化して復興に全力を尽くしたい」と述べました。
これを受けて自見庄三郎金融担当大臣は「高く評価したい」と述べて、公的資金注入の申請がなされた場合、迅速に対応する姿勢を打ち出しています。

仙台銀行の行是:信を万事の本となす「信為萬事本」の実践/三井頭取
仙台銀行は行是として「信為萬事本」(しんをばんじのもととなす)を掲げています。中国の史書『新唐書』に由来しており、日本の企業の社是にはよく見られる言葉です。融資先の多くが被災、自行でも5店舗の営業店が津波により全壊し、これからの再建は心許ない状況にあります。地域経済の復興支援を最優先させた仙台銀行はその先頭に立ってくれるものと確信しています。
[2011.4.14]

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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
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