クールジャパン:アニメフェア3兆円獲得へ/文化産業に初の売上高目標設定!
目標設定、海外市場3兆円獲得へ
経済産業省は12月22日、「クール・ジャパン官民有識者会議」で日本のアニメやゲーム、ファッションなどの文化産業を世界へ進出させる「クール・ジャパン」の海外売上高の目標を設定。平成32年には、現在の約4倍、最大17兆円の海外市場を獲得すると設定しました。各分野や対象国などを組み合わせた「クール・ジャパン戦略」を来春までにまとめるようです。
経済産業省では、観光産業を除く平成32年の海外文化産業の市場規模を現在の約2倍の932兆円と見込んでいます。このうち日本企業の輸出は、ファッション産業が5兆円、飲食産業が6兆円、マンガ・アニメなどのコンテンツ市場が3兆円。さらに観光産業の4兆円を加えた最大17兆円の市場獲得を目指します。政府が文化産業で目標数値を掲げるのは初の試みで、新成長戦略で掲げる「文化産業を稼ぎ頭に」という目的意識を明確に打ち出しました。
流行アニメ、関連グッズショップをご案内
日本のアニメは海外で注目されており、訪日外国人が多く集まる秋葉原では家電だけではなく、アニメ関連ショップへも立ち寄る外国人が増えているようです。12月9日には、日本で流行しているアニメや関連商品を取り扱う店を訪日外国人に案内する「ソフマップ・アキバ・デューティフリーズ・1F案内所」がオープンしました。同案内所は、NPO法人「秋葉原観光推進協会(東京都千代田区外神田1−14−7 理事長:寶田 篤)」が運営し英語や中国語を話せるスタッフが常駐しているとのことです。 秋葉原は家電、アニメ、ゲーム、など日本のポップカルチャーが集中、混在した街として海外での認知度も高く、東京名所の一つと言えるでしょう。同協会では有料で通訳がエスコートする街のツアーも用意しており、入れ替わりの激しい秋葉原での観光需要の掘り起こしつながると見ているようです。
都条例でアニメフェアボイコットも
海外で多くの人々に愛され、高い評価を受けている日本アニメの新興と育成を図るための「東京国際アニメフェア2011」が平成23年3月24日から27日まで東京ビッグサイトで開催されます。同フェアは来年で10周年を迎え、来場者数、「見本市」への出店企業数も年々増加しており、世界のアニメマーケットとして評価されているようです。「コンペティション」では、国内外のクリエイターによる創造力あふれる作品が競い合い、「クリエイターズワールド」では、才能ある若手クリエイターがアマチュアからプロへ、世界へステップアップするための絶好の場となるようです。
来年の開催が待ち遠しい中、「見本市」へ出展予定の集英社や角川書店など大手出版社10社や日本動画協会などが参加を取りやめるという報道がありました。出展ボイコットの理由は、12月15日の都議会で東京都青少年健全育成条例改正」を可決、成立させたことにあるようです。マンガ、アニメで表現される幼児への性暴力を規制するものですが、規制の対象や要件が曖昧で、マンガ、アニメ業界では「表現の自由を妨げる」として同フェアの参加を見合わせると言います。
幅の広い波及効果に期待
マンガ・アニメなどコンテンツ産業は日本の伝統産業でないものの、創造性や細かな描写など日本が得意とする産業です。描かれたキャラクターはファッションや音楽、食などクール・ジャパン戦略に関連し、幅の広い産業に波及効果をもたらせます。作品に使われたキャラクターグッズや衣装、アニメソングなど、相乗効果によって海外からの入り口も広まります。
「東京国際アニメフェア2011」というビジネスチャンスにのって、アジアへ、世界へ向けて日本の最先端技術を活用したマンガ・アニメを発信。政府が目標を設定した3兆円に向けて官民一体、輸出拡大を目指し「稼ぎ頭」となってもらいたいものです。
[2010.12.25]
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