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日本での新ファイナンスに挑戦/携帯電話で小口融資急増のマイクロファイナンス

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貧困から救いノーベル平和賞も
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マイクロファイナンスがアジアで広まっています。バングラデシュのグラミン銀行はマイクロファイナンスという貧困層に少額の融資を行ない拡大してきました。同行の設立者は、元経済学の大学教授で貧困層に少額の資金を無担保、無保証で融資。融資によって貧困から抜け出せたのがきっかけで同銀行を設立したと言います。マイクロファイナンスはグラミン銀行がモデルになり、多くの貧困者を救い出したことから平成18年には創設者にノーベル平和賞が与えられました。規模は小さいながらも便利さはメガバンク以上と利用者は増え続けているようです。
マイクロファイナンスは、グラミン銀行をモデルとしてアジア、そして世界に広まっています。各国政府の金融機関への支援や、携帯電話の普及が事業拡大を後押ししているようです。
インドでは、マイクロファイナンスの融資件数が年間8,000万件を超えるほど普及が進んでいます。スリランカでは、昨年9月に政府が金融機関への資金援助でセイロン銀行ではこれまで9,000人に4億5,800万ルピーの融資を実行しました。

規制か緩和か、普及すれば今度は回収の問題
インドでは、マイクロファイナンスの普及に伴って、貸し手の強引な取り立てなど問題も増えているようです。このため、自宅への訪問回収を禁止するなど規制が強化されています。一方、業界団体側では、返済の遅延や拒否などの増加で貸し手側の資金繰りにも影響が現れ、破綻も続出すると警戒しています。バングラデシュでは、貸出金利が高利貸しより低いものの20%を超える金利に「マイクロファイナンス会社は儲け過ぎ」と見られているようです。バングラデシュ政府では金利の上限を設け規制する方針のようです。
新しい金融市場が普及することによって回収、金利など様々な問題が起こるものです。規制を緩和すれば利用者も増加しすそ野が広がるものの回収手段の問題が起きます。一方で規制を強化すれば利用者への制限などで供給過多になり、貸し手の事業が成り立たないものです。今、日本で起きている貸金業の規制強化による問題と同じことがアジアのマイクロファイナンスに起きているのです。

日本でもマイクロファイナンス
携帯電話会社のKDDIは12月13日、元銀行員の日本人が起業した米金融会社マイクロファイナンス・インターナショナル・コーポレーション(MFIC)に出資し、筆頭株主となったと発表しました。来年1月から携帯電話を使用した国際送金、決済事業サービスに進出します。KDDIは通信のノウハウや各国通信キャリアとのネットワークを持ち、MFICは欧米の金融機関などと提携した金融ノウハウがあります。両社ノウハウのもと全世界の通信キャリアに向けたグローバルな送金、決済システムを進めるようです。
MFICは、銀行口座を持てない低所得者層の移民による、母国への送金を請け負う業務を行っています。サービスの第一弾として米国在住の中南米の移民向けに携帯での送金サービスを行うとしています。利用者は送金用プリペイドカードを販売後、コールセンターで申込みを受付け、1回最大200ドルを4~5ドルの安い手数料で送金する予定と報じています。MFICでは日本の金融庁にも登録申請をし、国内に在住する外国人向けにも事業を始めるとしています。

羨ましいモバイルマネー口座:日本の零細企業者!
CGAP(Consultative Group to Assist the Poor)が昨年9月に行った調査によると、世界で携帯電話を所有者は平成24年には約17億人に達すると見られています。世界では、貧困層の自立支援目的に携帯電話でマイクロファイナンスが提供されており、すでにケニアでは1,300万超え、フィリピンでは800万を超えるモバイルマネー口座が利用されています。
マイクロファイナンスは1件当たりの融資額が低いため、銀行には不向きと言われていました。しかし携帯電話の普及ですそ野は大きく広がり、フィリピンでは、最大財閥グループの銀行・BPIグローブ・バンコが携帯電話端末による、資金のやり取りが可能なサービスの認可を監督当局から得たと報道されました。資金需要の市場があれば銀行大手も供給に乗り出してくるものです。
日本国内には事業資金が借入れできず、資金繰りに困惑した中小企業が数多く息をひそめています。モラトリアム法で金融機関などへ条件変更した後、海外進出や新事業参入、転業など次へのステップへの準備資金が調達できていません。政府の借換え保証など中小企業への新しい金融支援が一日でも早く欲しいところです。


[2010.12.22]

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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
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