日系企業が中国大学生を雇用増、グローバル化で負けず嫌いが求められる時代に
中国語が話せなければビジネスにならない?
大手商社は海外のインフラや資源、エネルギー開発などの受注強化に伴い、若い従業員に海外研修でグローバル化を強化すると報道がありました。
食料や繊維を中心に中国で事業を進める伊藤忠商事は、入社8年目までの総合職を現地の大学に4ケ月~半年派遣、中国語を話せるようにしたいと言います。モノ、サービスの流れが中国を中心にアジア新興国へ移り、商社も英語のみ話せるだけではビジネスにならないのでしょう。三菱商事は語学や実務などの海外研修を、来年度から新興国を中心に今年度より2割多い150人前後に派遣。三井物産も同様に毎年120人前後を海外に3ケ月~1年派遣するようです。通訳を介すことなくビジネスにおいて現地語が話せれば、相互の信頼感も高まるでしょう。
海外留学が減少、内向指向に
人材のグローバル化は学生時代においても留学などで経験できますが、昨今の就職活動の早期化で大学3年の秋にはすでに就職活動が行なわれ、尚早しと経済界でも問題になっています。本来であれば自分の専攻した分野を学び、研究する学業が第一。また海外留学など貴重な経験できる時期に就職活動では本末転倒でしょう。
留学・海外生活情報雑誌の企画制作を行う株式会社トゥモロー(東京都渋谷区千駄ヶ谷3-13-14 代表取締役:天野智之)の海外留学生数の推移を見ると、海外へ留学する
学生が年々減少傾向にあります。逆に日本へ留学する海外の学生は年々増加傾向にあります。中でもアジア諸国が圧倒で上位の中国、韓国、台湾の2ケ国だけで全体の78%を占めています。日本語や日本文化、そして日本で学んだ学業を帰国後に生かしてもらいたいものです。
就職内定率57%まで落ち込み
帝国データバンクの「新卒採用への企業意識調査」によると、67.0%の企業が、新卒者の採用活動の早期化と既卒者の就職難について「問題がある」と応えています。不況による就職難で誰よりも先に内定が欲しい学生と、優秀な学生を他の企業よりも早く確保したい企業との紳士協定が守られていないのでしょう。お互いにメリットのないこと、取り決めはしっかり守ってもらいたいものです。
今春4年生の大学生の就職率は前年比7.6%減の60.8%。来春卒業予定の大学生の就職内定率は10月1日現在、57.6%と異常な低さとなっています。政府や自治体、ハローワークなど就職支援活動が続いていますが即効性のある解決策は簡単には見い出せないでしょう。
負けず嫌いが求められている
中国の日本企業が本格的に中国の大学新卒者の採用活動を始めたようです。リクルートによると11月3日~6日、北京と上海で開催した面接会に参加した大学は39校、中国のトップ校を中心に約1万人が集まり、適性テストなど通過した大学4年生1、000人が面接しました。採用側の日本企業は「負けず嫌いで競争意識が強い学生」と中国の大学生は高感触だったようです。日本の10倍以上の約630万人の新卒者の中で競争を勝ち抜いた学生が選べるという買い手市場に、質の高い新卒者が確保できたようです。現地の日本企業は中国の大学生に内定を出し、その数の日本の大学生が枠から外れたのです。
肉食系が少なくなり草食系が増加といわれる若い世代は、就職活動でも皆、同じ格好で個性がなくなったように感じます。就職氷河期の今、起業するパワーを持つくらいの気持ちを持って次の世代の産業を担って欲しいものです。
[2010.12.2]
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