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TPP参加間近:日本産農産物のニーズ高/第6次産業で輸出促進!

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TPP、参加したい!国内世論は真っ二つ!?
政府はTPP(環太平洋経済連携協定)の貿易自由化による農・漁業の生産力向上と、競争力アップための強化策を検討する「食と農林漁業の再生推進本部」の設置を平成22年11月26日正式に決定し、30日に初会合を開く予定との報道がありました。TPPへの参加は正式公表していないものの着実に準備は整っているようです。平成23年6月をめどに強化対策の基本方針をまとめ、TPP参加への是非を判断する流れです。

APEC終了後参加したい意向をにじませる
菅首相は11月14日、9ケ国で行われたTPPの協定交渉参加国首脳会合にオブザーバとして出席し、席上で貿易自由化推進を明確化しました。チリのピニュラ大統領によると(菅)首相は会合の中で「(最終的には)参加したい」との意向をにじませたようです。APEC閉幕後の会見で首相は「多くの国からTPP参加をできるだけ早い機会に決めることを誘われた」とコメントしました。当然農林業、水産業、関連産業から猛烈な反対されつつも、TPP参加なら平成23年6月まで待ってはいられないでしょう。方針の固まっていない早い機会にTPP参加各国と交流して、日本の方針をTPPルールに反映させなければ参加条件は厳しくなるだけです。

低価格輸入農水産物に、Hiクオリティー輸出国産農水産物
農林水産省では、国産農林水産物を食品産業など関連する様々な産業と連携して利活用し、付加価値をつけて地域ビジネスや新産業を創出する「農山漁村の第6次産業化」を打ち出し推進しています。TPP参加による安価な海外産農林水産物の輸入拡大は必至です。対策として高品質、鮮度、安全に対して高いクオリティーに応えた商品を、小売りまでを一貫するように推進します。また、おいしく安全な日本産品を世界へ輸出する為の対策も企画していて、輸出の環境整備や海外の販路維持、海外ニーズの開拓を方針に上げています。
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住友商事:中国で日本産米穀を販売
住友商事は11月25日、平成23年春をめどに中国で米の流通、販売を行うと報道がありました。現地に日本式精米設備を設け、日本産米を日系スーパーやレストランに販売するようです。世界的な米の需要で国際相場が上昇、日本産米との価格差が縮小、良質な日本米には国際競争力があると判断しての中国進出のようです。

関西:金融機関が経産局、JTBと提携
アジア新興国では経済成長で付加価値の高い日本産の農産物や食品へのニーズが高まり、関西の金融機関でも日本の「食」の海外進出を後押ししているようです。三菱東京UFJ銀行では「関西は製造業向けのセミナーが中心で、農業や食品メーカー向けはやってこなかった」とコメントしています。農林水産業向けに近畿経済産業局や地銀数行と商談会やマーケティングのノウハウを共有するとしています。他にはりそな銀行がJTB西日本と連携、香港の高級ホテルやスーパーとの現地商談会を開催します。

日本製炊飯器がおいしさを広めた・・とか
農林水産省によると平成21年の農林水産物の輸出額は前年比12%減でしたが、輸出額上位10位のうち、中国だけが3%増の約465億円でした。また、今年1月から9月までの中国への輸出額は前年同期比10%以上も増加、近畿圏でも9月単月の輸出額が21%増の約80億円と、日本産農産物のニーズは高いようです。中国の観光客が日本製炊飯器家電量販店で買いあさっています。中国に戻り炊飯器でごはん炊いてその「おいしさ」と炊飯器の保温でいつもほかほか。お米をはじめとした日本産農産物に高いニーズが広がっているようです。

出遅れ日本、隣国はFTAをEUと協定の脅威
TPPへの参加は、自動車や家電など輸出産業には輸入国が非関税になると大きな恩恵がもたされます。一方、農産物業界にとっては海外の安価な農産物、水産物が輸入され国産のシェアを奪われかねないと関係者からは猛反対の声が上がっています。とくに農業地域にある自動車、家電製品工場などは農業従事者が労働者といった接点もあります。事業が優位になる反面、労働者の農業関係者の存在感もあり発言は慎重になっているように感じます。
輸出品目が日本と類似する韓国は、すでにEU(欧州連合)とFTA(自由貿易協定)に署名し、平成23年7月発効してEUの関税が撤廃されます。そうなれば韓国の工業製品の9割以上の関税がなくなり、EU諸国は現在よりもさらに安く自動車や家電製品など手に入れることができます。日本の自動車や家電など輸出産業には大変な脅威といえます。

TPP参加:農水業は第6次産業化強化で生き残り
このように貿易外交面で完全に取り残された日本は、TPP参加でも一歩遅れをとっています。急成長するアジア新興国市場に日本の工業製品を送り込めるようTPPへの参加が産業発展のポイントになります。そして農産物水産物の海外輸出のルートを開き、農産物水産物の第6次産業強化によって日本の農林水産業は大きく変革のときです。

異業種から転業のチャンス!将来性高い
工業製品の量産技術は新興国に追いつかれましたが、ハイテクを駆使した日本産の農産物水産物は、クオリティが高く安全、安心です。このことが海外でも広く認知し始めたこのタイミングで振興国に新規参入し、第6次産業を盛り上げたいものです。これは転業を目指す異業種の経営者にはビックチャンスかもしれませんよ。

●関連記事:オフィシャルサイト「TPPで日本の農漁業が変わる第6次産業」

[2010.11.29]

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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
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