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東北新幹線グランクラスの経済効果、交通網インフラ整備で観光・地方活性化なるか!

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新幹線が続々延伸、東北には「グランクラス」初導入

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12月4日に東北新幹線が全線開業(八戸~新青森間)します。
また来年3月デビューする最新鋭のE5系車両「はやぶさ」にはグリーン車よりも格上の「グランクラス」と呼ばれるシートが新幹線では初めて導入されます。ドイツの航空機シートメーカー「RECARO社」が製造、グリーン車より5,000円高い料金設定でアテンダントが常駐、飛行機で言うファーストクラス並みのサービスです。
「グランクラス」は情報誌「日経トレンディ」発表の2011年ヒット予測ランキングで「新幹線・極上ツアー」として5位にランクインしており、チケット入手が困難になるとの予想もあります。

●関連記事:2011年ヒット予測ランキングの傾向を検証、これからのビジネスチャンスに!,[2010.11.13]

新幹線「はやぶさ」は営業運転では国内最速の時速300キロで走行、東京~新青森間を3時間10分で結びます。
101126_3.jpg九州新幹線の鹿児島ルートも平成23年年3月に全線開通(博多~鹿児島中央間)を予定しており、山陽新幹線経由で新大阪まで乗り入れる予定の「みずほ」は新大阪 - 鹿児島中央間を3時間45分で結びます。
筆者が新幹線開業前、上野始発で仙台まで当時の最新鋭特急電車で4時間30分かけて帰省した時代を思い出すと隔世の感があります。

日本は開業以来無事故を誇る新幹線の高い技術力と安全性を諸外国、特に新興国に対して導入を売り込みたい狙いがあります。
アーノルド・シュワルツェネッガー米カリフォルニア州知事が来日した際、最新型新幹線「E5系」特別車両の試乗に招待し「静かで快適」とのコメントでした。
今後の高速鉄道の輸出先候補は、米国カリフォルニア州のほかベトナム・インド・ブラジル・ロシアなどがあります。これらに対してフランス・カナダ・ドイツなども自国の高速鉄道技術の輸出を狙っています。今後も熾烈な国を挙げての売り込み合戦が予想されます。最も歴史のある安全性の高い新幹線は勝てるでしょうか?

リニアモーターカー、日本での開業は2027年・・・遅くないか?
中国のリニア、上海トランスラピッドはドイツの技術によって造られ、2002年12月に浦東国際空港と上海市郊外を結んで開通しました。営業最高速度は430km/hの超高速運転を行う磁気浮上式で営業を行っている今のところ世界で唯一のリニア営業路線です。
一方、我が国のJR東海が計画しているリニア中央新幹線(東京~名古屋間)の開業目標は2027年、先日やっとルートが決定したところです。JR東海は「JR式マグレブ」という独自技術にこだわって独自開発していて、日本のリニア開業が遅れている原因だとされています。ただしこの方式で有人走行では世界最速の時速581km/h(ギネスブック認定)を記録しており、目標を時速700km/hに設定しています。
世界的にリニアに使われる「超伝導技術」が研究開発され日々進化しています。あくまでも安全とセットのモノづくりは日本らしく品質本位です。リニアに関しては他国に一歩遅れた後発組になりそうな雰囲気です。これからの大逆転に期待したいところです。
用地買収が困難だとしても、それにしても東京~名古屋開業が15年以上先とは・・・。

LCCの羽田乗り入れも追い風
101126_2.gif現在、オーストラリア・シンガポール・フィリピン・韓国の格安航空会社(LCC:Low Cost Carrier)が日本に乗り入れています。発着枠や着陸料の問題はありますが、日本に乗り入れするLCC航空会社は今後も増えると予想されます。外国人観光客やビジネスマンの訪日が促され、外貨獲得、経済効果に寄与するでしょう。日本で外国人に気持よくお金を使ってもらう意味でも、国内の交通インフラの更なる整備が必要となります。

観光産業、地方経済の活性化も望める
地方都市へのアクセスの利便性が高まると、人やモノの新しい流れが生まれます。人を介する生の情報や特産物が行き交うようになれば、地方に埋もれているビジネスや商品、観光地などが発掘されるなど、様々な効果がとても期待できます。
東北新幹線新青森駅開業によって、東北3大祭りの一つねぶた祭りや大間産本マグロなどが更に認知されるでしょう。国内の主要交通インフラ強化は地場産業や観光開発に潤いをもたらし、地方の景気向上に寄与するのです。

新青森駅開業後は、LCCで羽田空港に降り立った外国人が「グランクラス」で青森の恐山に殺到、2ヶ国語対応のイタコが大忙し・・・。そんな時が来るかも知れません。

[2010.11.26]

 


 

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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
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