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羽田国際空港オープン:1兆円の経済効果、アジアハブ空港

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羽田空港10月21日国際線復活
10月21日、羽田空港の国際線が復活しました。昭和53年に成田国際空港開港以来、ここでも外交問題のあった中国のチャイナエアラインを除く国際便が全て成田に移りましたが、日本のグローバル化を目指し羽田国際空港が復活しました。空港へ、そして空港から観光地へのアクセスを担う鉄道やバス、タクシー。それを取り巻く旅行業界や空港内での飲食、ショッピングゾーンなど新たなビジネスチャンスの起爆剤となるでしょう。

大田区:観光コースを試作、町工場コースは?
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空港のお膝元である大田区観光課では、空港での待合時間などを利用してもらおうと、海外の観光客向けに羽田空港周辺の温泉や飲食店などを紹介する観光コースを試作するなど、街にも活気が戻りつつあります。大田区は町工場として世界レベルの技術を持った中小、零細企業が数多く集まっています。国内外ビジネスマンにも、その技術を手軽で見てもらえるようなツアーも企画して欲しいものです。

羽田国際化:アジアのハブ空港へ
羽田国際化に伴って成田では競争相手とみるのか、共存を選ぶのか。成田国際空港株式会社(千葉県成田市古込字古込1-1 代表取締役社長 森中小三郎)の森中社長は21日、「成田、羽 田で国内の競争をしている場合ではない。本当のライバルは上海や北京など中国の大空港だ」と強調し、「羽田は高需要のビジネス路線が中心で、国際線ターミナルは使いやすいコンパクトな設計だ。ただ混雑時の処理能力には限界がある」と公表。長引くデフレに日本のグローバル化を目指すトップの発言に安心しました。相互の利便性を生かし、ともに発展を遂げてもらいたいものです。中国を始め、韓国の仁川空港などアジアのハブ(拠点)を奪われ遅れを取った日本の空港に、この意気込みがあれば再びハブとしての機能を取り戻すことが出来るでしょう。

全日空:LLCと競争にならない、日航:ハイクオリティー路線
羽田国際化は格安航空会社(LCC)にとっても魅力のある路線として、各航空会社は路線獲得に奔走しています。全日空では「LCCとの運賃競争にはならない」と国内線に乗り継ぐ路線で勝負する見方を示し、日本航空は「悩んでいるが、日航はハイクオリティーであるべきではないか」と慎重姿勢を示しました。全て「込み」の日本の航空会社はサービス、おもてなし路線のようです。

101025_2.jpgLCC:キャビンアテンダント(CA)がトイレ掃除
先週の報道番組で韓国のLCCチェジュ航空を特集していました。機体は1種で整備の統一化、機内はシートの間隔を詰め20名多く乗せ、機内食はコンビの風おにぎり、支店長が整備の確認も担当、パイロットは退職者を再雇用し年収は日本の1/3、CAは到着後、乗客の見送りの代わりにトイレ掃除と徹底したコスト削減です。大掛かりなBPR(ビジネス・プロセス・リエンジニアリング)の賜物、いずれ羽田にもその姿を現すでしょう。

国際戦略コンテナ港湾でデフレ脱却か
旅行業界では、成田経由で行けなかった海外の日帰り可能エリアが広がり、確実に利用客が拡大されると期待。また首都圏以外では乗り継ぎに韓国、仁川を使う利用客をも見込めると経済効果は図りしれません。
片山総務相(地域活性化担当)は21日、首都圏産業拠点との連携へ期待を表明。内閣府が検討している「国際戦略特区」も併用し、京浜港の「国際戦略コンテナ港湾」の整備などに弾みをつけることが望ましいとコメントしました。政府の試算によれば羽田国際化の経済効果は、成田の国際線発着枠と合わせ約1兆円とみられ、あらゆる産業への波及効果が期待できます。

ところで日航は?
羽田国際空港にもLCC各社が路線を獲得していく中、多額の債務放棄、度重なるリストラ、更に再融資3,000億円で日本航空は再びハイクオリティーの名の下、豪華路線をゆくのでしょう。

[2010.10.25]

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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
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