改正貸金業法の抜け穴!クレジットカード現金化商法
残高有り:横ばい、延滞者:横ばい
貸金業法、割賦販売法に基づく指定信用情報機関の株式会社シー・アイ・シー(CIC:東京都新宿区西新宿1-23-7 代表取締役社長 大森一廣)の平成22年度上半期(平成2年4月~9月)の貸金情報統計によると、「残高有り(無担保無保証借入の残高がある)件数」は2,590万件(前月比0.6%減)で「残高有り人数」は1,511万人(同0.06%減)とほぼ横ばいを示しています。また異動情報(約定返済日より3ヶ月以上支払いが延滞しているもの)の件数は593万件、人数は418万人と前月度からの増減は見られません。
改正貸金業法・総量規制の産物、ソフト闇金
改正貸金業法の完全施行から4ケ月が過ぎ、企業の倒産件数も減少するなど小康状態という感があります。運転資金は規制対象外といっても、総量規制によって資金を借入れできない個人経営者、零細企業の資金繰りが良くなったとは思えません。「ソフトヤミ金」という言葉が生まれる時代、他の返済のために借りてはなりません。
カードショッピングで換金、金利にすると243%
資金需要のある企業経営者が金融機関や貸金業者から資金調達が出来ず、ネットで探すと「クレジットカード現金化」「90%キャッシュバック」「高還元率」「査定不要」と魅力のある謳い文句が1千万件以上ヒットしてきます。
クレジットカードのショッピング枠を利用し現金化する商法で10月19日の報道では、都内の元消費者金融勤務だった業者が3年間で1億3,000万円を隠し告発されたと報じました。1万円借りた場合は80%のキャッシュバックで安物の商品を送り、利用者は1万円をクレジットカードで決済。翌日、消費税、手数料が引かれ、7,080円が利用者の口座に振り込まれる手法です。借入れ日数を1ケ月とすると法定利息20%をはるかに越え、243%となります。形式的には物販販売となるために貸金業法にも触れませんがクレジットカード契約違反となるため、カード会社からカードの返還を求められる場合があるようです。警察でも詐欺の可能性もあるとしていますが、今のところ立証が難しいとの事です。
無担貸付:56%減(消費者金融)、41.8%減(クレジット)
カード現金化業者は近年急増しトラブルも相次いでいるようで、国民生活センターによるとカード現金化商法をめぐるトラブルの相談が、平成22年4月から9月20日までで141件と前年同期比2・7倍に拡大しています。センターでは「実態はヤミ金融と同じで、多重債務問題の解消を妨げている」と批判しています。
10月15日、日本貸金業協会の月次統計資料によると8月の無担保貸付は消費者金融が前月比56.0%減、クレジット業で同比41.8%減といづれも貸出しが大幅に減っています。ヤミ金、カード現金化に資金需要者が流れているとも予測できます。低利息で借入した資金返済のため、高金利での資金調達は避けるべきです。
消費者庁:「もうけ話」に注意促す
消費者庁では改正貸金業法の施行でカード現金化をはじめとする「もうけ話」などをリストアップし注意を促しています。ドロップシッピングや携帯電話契約の名義貸し、保証人紹介ビジネス、ネットによる情報商材販売、イラク通貨取引などなど注意が必要です。
蹴られた「大阪貸金特区」、金融庁:金融機関に貸金業やれ?
資金需要者は、改正貸金業法で新規の借入れ、借り増しが困難です。小口資金貸付を提案した橋下大阪知事の小規模金融特区構想「大阪貸金特区」は政府には認められませんでした。「話が通らぬなら日本沈没」とまで言い切った橋下知事、よほど深刻な状況なのでしょう。カード現金化業者など、資金需要者に無法に貸付を促進する業者、業態が増える中、法制度の下、規制を緩和した代替案が出てきません。金融庁では貸金業者の変わりに金融機関にやらせると言っているようですが、いつからなのかはっきりしてもらいたいものです。
過払い金返還ビジネス
このままでは消費者金融、小口金融問題が解決せず、カードショッピング現金化摘発はもぐら叩きです。貸金に関する新しいモラルが必要なのです。 最大手「武富士」の法的処置でTVでのCMで勧誘している「過払い金返還請求」ビジネスもこの辺が潮時ではないでしょうか?
[2010.10.22]
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