温故知新アイデアで、デフレ克服!「ワリコー」「無利子国債」「たんす預金」
無利子国債、首相は「慎重に検討」
景気対策、円高・デフレ対策、成長戦略実行が急務となっている日本ですが、何をするにしても財源確保が必要となります。
小沢元幹事長が提言した無利子国債発行について、10月7日菅首相は「無利子ゆえに失われる利子収入よりも軽減される相続税額が大きい人が購入すると予想され、国の財政収支はその分悪化する(中略)導入する必要があるのか、税の公平性の観点からも慎重に検討する必要がある」と発言しました。
無利子国債発行の目的は財源確保です。税収の増減と履き違えている菅首相の発言は的外れで、増税以外での財源確保を模索する門戸を閉ざすものです。
割引金融債
現在はほとんど発行されなくなった「割引金融債」というものがあります。無記名式、1年満期の金融債です。
金融債には割引金融債と利付金融債があり、利息の支払われ方に大きな違いがあります。割引債は発行時に額面よりも安い金額で販売され、償還期日に額面価格が償還されます。ただしこの時利息は付きません。額面価格と発行時の価格の差額(償還差益)が実質的な利息となります。
利付債には半年毎に利息と交換できるクーポンがついていますが、割引債にはない事からゼロクーポン債とも呼ばれていました。
懐かしい「ワリコー」などは画期的だった!
割引金融債は日本興業銀行・日本長期信用銀行・日本債権信用銀行、東京銀行、商工組合中央金庫、農林中央金庫だけが発行する金融商品です。
割引債は発行金融機関がそれぞれ特定の産業の振興資金として活用することを目的に発行されました。重厚長大型産業を対象とした日本興業銀行、事業会社は日本長期信用銀行、不動産業は日本債権信用銀行、貿易産業は東京銀行、中小企業は商工中金、農業は農林中金です。
発行元は自行の割引債にワリコー(興銀)・ワリチョー(長銀)・ワリトー(東銀)・ワリショー(商工中金)・ワリノー(農林中金)という名前をつけていました。年配の方は当時割引債を販売していた証券会社のCMなどで耳にした方も多いでしょう。
役割担った金融商品
割引金融債は無記名式という特徴によって、税金を免れることになっていた側面があります。割引金融債は窓口で購入時に割引という形で利息を受け取るので、銀行口座の開設も不要でした。金丸信元副総理が、割引金融債を利用して資産を隠したのではないかとの噂は有名です。
一方では無記名式という特徴や利息にかかる税金の優遇などもあり、個人の「たんす預金」を産業振興に生かすという大役を担っていました。当時の起発規模による記録によると相当の経済効果はあったようです。
「平成版割引債」の検討を
財政難の中で調達手段の一つに、無利子国債や割引債復活の提言したいところです。財源難では何も出来ません。子供手当ての満額支給やエコポイントの継続など、政策の実行にはやはり財源が必要なのです。
政府は将来に負担をさせる赤字国債発行ばかりではなく、割引債のように個人の「たんす預金」を産業振興に生かす仕組みを創ってもらい、まずは負担の少ない財源を確保しデフレ脱却政策を実行してもらいたいものです。
割引金融債で財源調達
エコカー補助金が底をついたら新車の売れ行きがストップしたり、選挙公約の子供手当ての支給が半分になったりするようではデフレ克服も先延ばしになってしまいます。
日銀が積極的に金融緩和、為替介入してしている今こそ、割引金融債などで財源調達し財政難を克服して、デフレを克服してもらいたいものです。
インフレ傾向の今が最大のチャンスです。
[2010.10.9]
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