増税議論:景気対策の目玉!法人税を海外並みに
最近活発な増税論議
政府の財源確保のため各種の増税の実施、検討がされています。最近の身近な例としては、たばこ税の値上げがあります。
私は禁煙して20年以上経ちますので負担はありませんが、これを機に禁煙する人が増えれば国民の健康に寄与しますし、喫煙者数が変わらなくても国家財政が潤いますからこれは「良い増税」と言えます。
相続税の増税情報
土地の所有者がそこに建てた賃貸ビル最上階に住んでいたり、2階が土地所有者の自宅で1階を店舗として貸しているケースはよくありますが、これは相続税の節税効果が高いためです。
240㎡以下の自宅兼賃貸物件の敷地には小規模宅地評価減制度が適用されます。
これまでは自宅敷地同様、評価額の80%が控除されていました。
賃貸収入を得ながら自宅専用地と同じ評価減率が適用されるので、土地はさほど大きくない(240㎡以下)が都市部など高単価な土地の所有者にとっては魅力的な相続税対策でした。
しかし平成22年年4月より控除額が大幅に減り、自宅使用部分以外の評価減率は50%となりました。
控除率が80%から50%に減ったため相続税課税対象額が大幅に増加となり、所有している土地の価格が高いほど税負担は大きくなります。
無利子国債の効果
相続税と言えば先日の民主党代表選の最中、小沢さんが「無利子国債」発行を提案していました。利子が付かない代わりに相続税課税対象外の国債です。「利子は払わないけど相続税の対象からは外すので、タンス預金で買って下さい。それを財源にして景気対策します」という趣旨なのでしょう。
但し、実際の運用については購入可能上限額、償還期間、贈与・譲渡制限などを考える必要があります。また「金持ち優遇税制」であるとの批判やマネーローンダリングの温床となる懸念もあります。
しかし一方では、政府としては利子支払負担なく財源確保が出来、たんす預金を掘り起こし資金が循環する効果が期待出来ることもあり、このような前例はありませんが将来に向けて悪くない施策だといえます。
経済効果は法人税減税!恒久黒字
中小企業事業再生に視点を移して税制改正を考えてみます。拙著「民主党政権で中小企業はこう変わる!」でも書きましたが、日本では少額の赤字、いわゆる「チョイ赤」である中小企業が多くあります。法人税実効税率が40.69%と大変高いため決算を意図的に赤字にしているケースです。昨今台頭してきたアジア諸国と比較してみると、中国25%、韓国24.2%と比較にならない低い税率であり、輸出産業の競争力面でも大きな壁となっています。
そこで、日本において法人税減税が実施されれば・・・・
①自社の決算を黒字化するモチベーションが生まれる
②黒字の会社が増える
③法人税を納付する企業数が増える
④法人税が増収となる
というストーリーが描けます。
黒字決算が2期続けば新たな融資も視野に入ってきます。
借入れが出来れば人的投資での雇用が生まれ、給与所得から消費が生まれます。
また、設備投資をすればモノが流通し、受注した会社には売上が生まれ、黒字になれば法人税を納付、人・モノに再投資・・・と循環していくでしょう。
法人税減税、これが日本の中小企業政策の起爆剤として不可欠であると確信しています。
早急な実施を切に望むところです。
[2010.9.18]
【参考:9.12掲載】
『民主党の小沢一郎前幹事長は日本記者クラブ主催の代表選公開討論会で、公共事業などの新たな財源として、無利子非課税国債の導入を検討していることを明らかにした。
席上「都道府県で高速道路を造らせる仕組みにしたらどうか。それを国が支援する」と述べたうえで、地方の負担分について「無利子国債で補填する考えだ」と語った。無利子国債は、利子が付かない代わりに相続税を免除するなどとしたもので、家計の資産を国債として吸い上げ、財源として有効活用する狙いがある。』
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