スマホ急普及に格安スマホの猛追で「Made in JAPAN」半導体製造装置の輸出が急拡大!
半導体や液晶デバイスが足りない?
財務省が12月18日に発表した今年11月の「貿易統計速報」によると、輸出額は6兆9,204億円と前年同月から16.2%伸び、12ケ月連続で輸出額が増加しています。大手キャリアのスマートフォンに格安スマートフォンが競合し始め、半導体や液晶デバイスを製造する半導体製造装置が好調で、中国向けが単月としては米国を上回り2ケ月連続で過去最高を記録しました。
輸出先を見ると、中国を中心にアジア諸国の存在感が高まっています。
輸出の過半以上が中国を含むアジア圏
中国向けの輸出額は、1兆3,797億円と前年同月から25.1%も増え、過去最高であった先月からさらに伸びました。
一方、米国は1兆3,686億円とわずかに中国への輸出額に届きませんでした。米国への輸出では自動車や関連部品が堅調に伸び同13.0%増えましたがアジアの伸びには及びませんでした。
輸出に占める中国を含むアジア向けの構成比率は56.3%に達し、平成23年8月以来6年ぶりの高水準となりました。「ものづくり日本」、「技術大国・日本」が再認識された結果です。
日常生活ではすでに欠かせない半導体
中国向けの半導体製造装置の輸出の伸び率を見ると前年同月から68.9%と急速な伸びを見せています。これは半導体の用途として、スマートフォン以外でもエアコンの温度センサーや、炊飯器、パソコンの心臓部であるCPU(Central Processing Unit:中央処理装置)、テレビ、冷蔵庫、LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)電気と、日常生活では欠かすことのできないものになっています。
特に半導体は、家電製品だけでなく、銀行のATM(Automated Teller Machine:現金自動預入れ払出し機)や電車の運行システム、医療ネットワークなどに幅広く使われ、最近では自動車の自動運転技術のシステムも半導体は欠かせません。
日本の半導体製造装置メーカー、ニーズに応え生産体制を整備
日本の半導体製造装置メーカーでは、このニーズを受け、設備投資を積極的に行い東京エレトロンやSCREENホールディングス、日立ハイテクノロジーズなど主要7社の今年度の設備投資額は前年度から65%増の1,186億円となる見通しです。
特に半導体物質で作られた円盤型のウエハーを加工する装置のニーズが急増しており、メーカーではニーズに応えるため生産体制の整備を急いでいます。
米SEMI(Semiconductor Equipment and Materials International:半導体製造装置材料協会)によると、日本製の半導体製造装置の販売高は、平成30年度にはリーマン・ショック前に迫る1兆8,000億円ほどになると予測しました。
●関連記事:「サムスン電子:逆風のなか、2017年連結営業利益1兆円。前年同期比48%増。半導体メモリーが奮闘」[2017.4.15配信]
[2017.12.21]
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