「データ改ざん」信頼揺らぐMade in JAPAN、輸出好調時に差し水!真摯な改善の取り組みを
大企業によるデータ改ざん、無資格者の検査
Made in JAPANは、これまで長年築いてきた世界的な信頼が揺らぐ事件が相次ぎました。日本の製造業によるデータ改ざんや未資格者の検査問題です。神戸製鋼や三菱マテリアル、東レ、日産自動車、SUBARUなど世界的な大企業ばかりです。
取引先や消費者、下請け企業を軽視し、自社の収益や労働力軽減だけを理由に不正が数年前から行われ、メディアでも大きく扱われるなど問題は国内だけでなく、海外にも大きく伝わっています。
これら大企業に共通するものは、「厳格さの欠如」であり、データ改ざんや無資格者の検査は法令違反ではありませんが、取引先や消費者、下請け企業との約束を破った背信行為でしかありません。
「安全性には影響ない?」の認識
安倍政権以降、円安株高が維持され、日本からの輸出も堅調に黒字となり輸出のさらなる拡大が期待れていましたが、その輸出品の一部に正規基準・規定外のパーツや素材が含まれていたと分かれば、なぜ、日本の高い製品が海外で売れるのか。製品価格に信頼の価格がプラスして入っていることの意味がわかっていないのではとも思えます。
製品自体には、安全性など影響はないとするものの、この報道により日本の製造業や日本製品への信頼は傷つけられ、産業によっては営業的に影響の出る場合も考えられます。
国内では、関西電力の大飯原発、九州電力の玄海原原発が、神戸製鋼所のデータ改ざんされたアルミや胴製品が使われたことによって、安全性に時間がかかるため再稼働が延期されました。
不正発覚はSNSや社内アンケート
相次ぐデータ改ざんは氷山の一角なのか、国内の製造業では各々点検、確認作業を急いでいますが、企業によるコンプライアンス(要求や命令に対し法令遵守を意味すること)の問題です。不正が発覚したのは、SNS(Social Networking Service:人との繋がりを維持・促進するネットサービス)や社内アンケートなどでの内部告発。
ネットサービスなど、誰にも便利で役立つ新しいサービスが始めれば、その裏には同程度のリスクもあることを無視しすぎているように見えます。
現在では、スマートフォンなど急速に広がっており、「誰でも、いつでも、どこでも、どんな内容も」ネット上に容易に公開できる時代であることを忘れるべきでないでしょう。
経団連会長、加盟企業に品質確認求めるが、元は東レのトップ
製造業の経営者、幹部、現場は一体で問題の改善や修正を行い、迅速に対応する組織に戻る必要があります。
経団連の榊原会長は、今回改ざんのあった東レのトップ出身でもあり、加盟企業に製品の品質確認を求めました。同時に、自らの改ざん不祥事の原因を究明し報告すべきでしょう。
品質をこれまで通りの規定でなく、より安全性を高めるなど柔軟な改善の余地もあるはずです。真摯な改善への取り組み無しでは日本のMadee in JAPANの信頼は取り戻せません。
●関連記事:「国産高品質木材の輸出、中国向け96%増,韓国向け73%増!価格よりも最後に望まれるのは品質Made in JAPAN」[2015.3.19配信]
[2017.12.6]
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