日本企業のM&A:4~9月期過去最高296件/金額で19%増5兆4000億円!
4~9月期296件で過去最高
日本企業による海外企業のM&A(合併・買収)が、加速しています。今年4~9月期で296件となり、過去最高を更新しました。欧米先進国の企業を対象にした案件が目立ち、また、非中核事業を切り離す動きも顕著です。成長戦略と採算改善の両面で、M&Aが定着した感があります。
先進国企業対象案件は9割超え
M&Aのコンサルティングを担うレコフ((株)レコフ:東京都千代田区恩地祥光社長)によると、日本企業による海外M&Aの件数は、前年同期比で5%増。金額ベースでは19%増で約5兆4000億円でした。
調査会社ディールロジックのデータでは、先進国企業を対象とする案件が、金額ベースで9割を超えたといいます。円高の影響もありますが、動機の主軸は、世界経済の減速傾向が鮮明になるなか、先進国企業の高い技術力を取り込むことにあります。
IoT時代の覇権狙いのソフトバンク
ソフトバンクグループ(ソフトバンクグループ(株):東京都港区 孫正義社長)は、英国の半導体設計大手アーム・ホールディングス(ARM HD:英国ケンブリッジウォーレン・イーストCEO)を、巨額の3兆3000億円で買収しました。あらゆるモノがインターネットにつながる「IoT」時代の覇権狙いです。
日本電産は技術力とブランド力を手中に
日本電産(日本電産(株):京都府京都市 永守重信社長)は、米電機大手エマソン・エレクトリック(米国ミズーリ州 デイヴィッド・ファーCEO)の産業用モーター事業などを1200億円で買収。技術力と世界的なブランド力を同時に手に入れました。
事業の一部売却も活況
一方、事業の一部を売却するM&Aも活況です。東芝((株)東芝:東京都港区綱川智社長)は東芝メディカルシステムズ(東芝メディカルシステムズ:栃木県大田原市 瀧口登志夫社長)など複数の子会社・事業を切り離しました。日立製作所((株)日立製作所:東京都千代田区 東原敏昭社長)も、グループの日立工機(日立工機(株):東京都港区 前原修身社長)の株式などの売却を調整中。
統合、分離とも、M&Aは増えていくとみられます。
[2016.11.24]
トラックバック(0)
このブログ記事を参照しているブログ一覧: 日本企業のM&A:4~9月期過去最高296件/金額で19%増5兆4000億円!
このブログ記事に対するトラックバックURL: http://www.h-yagi.jp/mt5/mt-tb.cgi/2705
コメントする