リサイクル事業が販路拡大に/アイリスオーヤマのLED照明事業に見るヒント
業界に先駆けたリサイクル事業
LED(発光ダイオード)照明で国内第3位のアイリスオーヤマ(アイリスオーヤマ(株):宮城県仙台市 大山健太郎会長)。先日の小欄で、同社の使用済みLED照明のリサイクル事業について触れましたが、もう少し詳しく見ておきます。
交換時期を機に乗り換えを狙う
今年3月にスタートしたこの事業が順調です。個別に回収業者を手配する手間が省ける利用者にも、メリットは大きい。LED照明は交換時期を迎えており、アイリスオーヤマはこの新事業を契機に、他社製品からの乗り換えを狙う戦略です。
回収後、再利用
確立されたリサイクルのシステムは、アイリスオーヤマが、LED照明を新たに納入する際、使用済みのLED照明も一緒に回収し、ハリタ金属(ハリタ金属(株):富山県高岡市張田真代表取締役)に送ります。ハリタ金属は、自動化したシュレッダーでそれを破砕し、アルミニウムや銅、LED素子に含まれる貴金属などを選別。純度の高い金属を取り出して再利用します。
次世代パワー半導体も視野
また、この自動破砕とは別に、手作業でもLED素子を選別し、法政大学に送るルートもつくりました。同大学は、独自の回収技術でLED素子からガリウム成分を分離・濃縮し、LED照明や、省エネ効果の大きい次世代パワー半導体などに再利用する計画です。
不要になったLED
照明の廃棄については、各納入業者や工事事業者の裁量に委ねられています。環境負荷が低く、効率性が高いリサイクルの仕組みづくりは、新たなビジネスにもつながるのです。
リサイクルで販路拡大
アイリスオーヤマの試算では、LEDからLEDへ交換する顧客は平成27(2015)年の段階では5%程度でしたが、今年後半には20~30%になる見込み。同社は、リサイクルを武器に売り上げや販路を拡大し、業界での地位を不動にする狙いです。こうした発想力は、業界を問わず見習いたいものです。
[2016.10.17]
参照:[2016.10.13]LED照明:普及から5年、交換時期を迎えリサイクル事業/アイリスオーヤマ
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