パリ「Japan Expo 2011」日本の魅力紹介で4省庁連携!「クールジャパン」市場規模17兆円
フランスへ震災支援に感謝、食の安全訴求、観光推進
外務省、農林水産省、経済産業省、観光庁は4省庁は6月30日から7月3日、フランスのパリ近郊で開催される「Japan Expo 2011」に参加。日本のマンガやアニメ、音楽、ファッションをはじめとしたソフトパワー、ポップカルチャーを欧州内外から集まる若者に紹介し、クール・ジャパン推進を実施します。イベント開催に当たって東日本大震災でのフランスの支援に感謝を表するとともに、農林水産省の参画を経て、日本の食の安全性を大いに訴え、風評被害対策にも取り組むとしています。
毎年7月にパリ近郊開催「Japan Expo」:今年で12回目
「Japan Expo」は、毎年7月にパリ近郊で行われ、今年で12回目。日本のポップカルチャー、伝統文化の武道や茶道などのを紹介する世界最大級の日本専門イベントです。観光庁ではビジット・ジャパン・ブースを設け、欧州の若者を中心に震災後の日本の「今」を正確に伝え、ポップカルチャーを通じて訪日旅行への不安を払拭します。
日本人気:17万人超えの来場者
「Japan Expo」の来場者は年々増加傾向にあり、昨年は過去最高の17万4,000人が来場しました。経済産業省ではクール・ジャパン戦略推進事業としてデジタル・コンテンツや地域産品を出展し日本文化の発信と海外販路開拓支援を展開。欧州に日本のモノ、コンテンツの「再発見、発信」を行い、「輸出」、さらに「観光客の誘致」に繋げるとしています。
日本のマンガやアニメは、技術的に国内外から高く評価され大きな影響と経済効果をもたらす産業です。社会現象まで起こしたガールズバンド・アニメ「けいおん!」では主題歌やキャラクターソングなどCDの売上は平成21年に100万枚を超え、キャラクターが使用したフェンダー社の左利き用ベースは、放送開始2週間で通年の4,5ケ月分売れるなど影響力は多大です。絶大な人気を誇る「ワンピース」も累計発行部数が2億部を超え、世界30ケ国で翻訳され購読されています。また日本の女性ファッション雑誌も大ブレーク。「かわいい」のキーワードはヨーロッパ全土に広がり始めています。
ポップカルチャー市場規模17兆円に
外務省では、従来から取り上げられている日本の伝統文化や芸術、地域産品に加え、若者に人気のマンガやアニメなど、ポップカルチャーを文化外交のツールとして活用しています。当初はオタクカルチャー的なイメージがありましたが、昨年のモーニング娘のコンサートなど音楽やファッション、テレビ番組などジャンルも広まりつつあり、本来の「カッコウいい日本」イメージになりつつあるようです。
震災による風評被害は海外にまで拡大し、日本の食品や工業製品にまで線量検査を要求する諸外国も出ています。原発大国・フランスでの「クール・ジャパン」の推進は風評被害払拭の契機になることを期待します。政府では、クール・ジャパン関連産業の市場規模を平成32年には17兆円と見込み、市場拡大を目指します。
震災後貿易赤字が3ケ月連続!クールジャパン、ソフトパワー産業支援急ぐ
経済産業省は6月16日、クール・ジャパンを担う中小企業の海外展開を支援するプロジェクト提案の公募を開始しました。日本のソフトパワー産業の分野で進出を目指す地域を決め、市場調査や市場開拓・検証、事業展開法を探り、成長産業群を創出し、日本ブランドの再生、拡大を目指します。
震災による原発事故の風評被害によって貿易収支は震災の起きた3月からマイナスとなり、財務省が6月20日発表した「5月分貿易統計(速報)」では、自動車や半導体などの輸出減少で前年同月比10.3%減となっています。日本のファッションやコンテンツ、食、音楽、地域産品などクール・ジャパンを担う中小企業やクリエイター、職人とメディアがチームを組み、政府支援のもと、産業復興に繋げたいものです。
●関連記事:被災地の伝統工芸を海外へ!経産省有識者会議「クール・ジャパン」でブランド化[2011.5.18配信]
●関連記事:クールジャパン:アニメフェア3兆円獲得へ/文化産業に初の売上高目標設定![2010.12.25配信]
[2011.6.24]
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