楽天、ヤフーなどIT企業、金融事業強化!データで信用力判断、金融機関介さず直接融資
莫大なデータを融資に繋げる「データエコノミー」
インターネット上の膨大なデータを経済活動に繋げる「データエコノミー」が融資のあり方を変えようとしています。
これまで中小企業などへの運転資金や設備投資資金などの融資は、メガバンクや地銀、第二地銀、信金などがその役目を果たしてきましたが、インターネットの急普及によりジャパンネット銀行やソニー銀行、セブン銀行、イオン銀行などが金融事業に参入してきています。
すでに米国では、FinTech(フィンテック:Finance「金融」とTechnology「技術」を合わせた造語)を活用したサービスが提供されており、日本が後を追っている構図になっています。
ネット通販の莫大なデータを分析、融資実行
日本では、インターネット通販大手の楽天などIT(Information Technology:情報技術)企業が、銀行を経由せずに直接融資をするサービスが始まっており、日々の売上や決済状況、口コミなどの莫大なデータから信用力を判断し、楽手市場へ出店する企業などに融資を始め、初回を除けば手続きは数分で完了し融資されます。
このような既存の金融機関を中抜きし、直接融資する動きは現実的になってきており、楽天グループの営業利益の5割近くが金融事業が稼ぎ出しています。
先行する米アマゾンは、6年前から融資開始
同様にヤフーでも、「Yahoo!ジャパン」出店事業者向けに、出資先であるジャパンネット銀行から限度額1,000万円の融資を開始しています。
IT企業からの融資は、米アマゾンが平成24年に出店事業者向けに融資を始め、26年からは日本でも同様のサービスを始めたことによるものです。
いづれも既存の金融機関に比べ決算書や事業計画書などは必要なく、、顧客の売上や客単価、購入頻度など莫大なデータがAI(Artificial Intelligence:人工知能)利用でリアルタイムで処理するため、融資の審査期間も短く、既存銀行で断られた企業が融資された例も多くあります。
これまでの実績は世界で約41兆円、4年後には約107兆円に拡大予測
莫大なデータを活用し金融機関を経由せず融資することを世界的には「オルタナティブ・レンディング(代替融資)」と呼ばれ、平成29年の世界での取引規模は3,800億ドル(約41兆8,000億円)に達し、ドイツの調査会社・スタティスタ社によると、2022年には現在の2.6倍の9,780億ドル(約107兆5,800億円)に拡大すると予測しています。
「オルタナティブ・レンディング」は、歴史も浅く信用力の見極めがどこまで正確かは未知数な部分も残りますが、既存の銀行が大企業の融資に偏る日本特有の解消へ向かうのであれば、中小企業や小規模事業者などの成長を支援し起業を活発化させる可能性も大きくあります。
●関連記事:「ソーシャルレンディング活発化。貸し付け型クラウドファンディング。新規実行額は404億円に急増推計」[2017.1.16配信]
[2018.8.1]
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