医療IT:富士通とエス・エム・エス/患者情報を共有できるサービス、地域包括ケア推進
世界に先駆け、超高齢者社会を迎えた国、日本。医療者、介護者、行政、ボランティアなどが協調し、地域ぐるみで高齢者を支えるシステム「地域包括ケア」の推進を国は唱えますが、人の関係が薄い大都市ほどその実現が難しいのが実情です。情報技術(IT)は、人と情報をつなぎます。この分野に積極的に乗り出している富士通(富士通(株):神奈川県川崎市 田中達也社長)の取組みは患者情報の共有です。
患者情報を病院と地域で共有できるシステム
富士通と、医療情報サービス企業エス・エム・エス((株)エス・エム・エス:東京都港区後藤夏樹社長)は、病院や訪問看護、介護など地域の施設の間で、患者情報を共有できるシステム開発に乗り出しました。
病院の検査データを診療所の医師、訪問看護師らが共有し、夜間の緊急対応などに備えます。人口5000人、1病院、3診療所、訪問看護や介護施設など2事業所の長野県阿南町で平成28年夏、スタートします。
地域包括ケア構想の壁
地域包括ケア構想は数年前から描かれつつも、利用者の利便性を追求したシステム開発は盛んとはいえません。
今回は、富士通の電子カルテシステムと、エス・エム・エス傘下で訪問看護・介護施設向けのソフト開発を手掛けるエイル((株)エイル:東京都港区川口肇代表取締役)が、障壁を越えて連携しました。
今回は、富士通の電子カルテシステムと、エス・エム・エス傘下で訪問看護・介護施設向けのソフト開発を手掛けるエイル((株)エイル:東京都港区川口肇代表取締役)が、障壁を越えて連携しました。
異業種同士のコミュニケーションの難しさ、大手企業の発想では地域や患者に合わせた細かなニーズに合わせられないなど、実現しない理由は個別サービスの難しさにありました。
行政の協力、プライバシー
情報共有には個人情報の取り扱いについて、プライバシー保護の問題が立ちはだかりです。住み慣れた地域で最後まで過ごすには何が必要か、超高齢者社会を迎えた地域の患者情報共有が急がれます。
市区町村単位での取り組みでは変化の多い現代社会では、対応が出来ない高齢者が出てくるかもしれません。
市区町村単位での取り組みでは変化の多い現代社会では、対応が出来ない高齢者が出てくるかもしれません。
そこで、患者情報を共有した行政の取り組みが必要になるのです。
[2016.06.02]
地域包括ケア:
団塊の世代が75歳以上となる平成37(2025)年までに、高齢者が最後まで住み慣れた地域で暮らせるために、医療、介護、予防、住居、生活支援が一体的に提供されることを目指すシステム。
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