中小企業とIoT③:近畿地方ではプラスチック加工業界/データ管理システムを開発、加盟企業に無償提供
近畿地方のプラスチック加工業界
あらゆるモノがインターネットにつながる「IoT」(Internet of Things、読み方はアイ・オー・ティー)関連で、近畿地方の活用方法が参考になる例です。
西日本プラスチック製品工業協会の加盟企業約330社が、加工条件や加工履歴を一元的に管理できるシステムを導入し、品質向上などに取り組んでいきます。狙いは、他業界と同じく、競争力の確保や人手不足といった、経営課題の克服です。
システムを開発し加盟企業に無償提供
同協会とムラテック情報システム(ムラテック情報システム(株):京都市伏見区 村田洋介社長)は、近畿経済産業局と連携し、住友重機械工業(住友重機械工業(株):東京都品川区別川俊介社長)など成型機メーカー5社の機器に対応したデータ管理システムを開発します。今年度中に、加盟企業にシステムを無償で提供し、各社の製造工程の質向上につなげます。
中小の生産過程のデータ収集は39%
精度が高いプラスチック製品を生産するには、細かな成型温度や時間の調整などが欠かせません。しかし、平成28(2016)年のものづくり白書に「生産過程でデータを収集している中小企業は39%(大企業68%)」とあるように、中小ではこの面に苦手意識がありました。IoTの活用により、品質や成型機の異常を感知でき、万一、不良品が発生した場合も加工条件を追跡調査できます。
加工データ管理の難しさを乗り越えるために
同協会会長を務める旭電機化成(旭電機化成(株):大阪市東成区原直宏社長)の原直宏社長は、「これまでは成型機のメーカーによって様式が異なり、工場全体の加工データを管理するのは難しかった」と振り返ります。このシステムが、今後、プラスチック加工業界の標準システムになる可能性もあるでしょう。近畿経済産業局など、行政の調整力にも期待したいと思います。
[2016.11.11]
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