中小企業とIoT②:自動車業界で「つながる町工場」プロジェクト。受注、製造、出荷まで共同で。
自動車業界でもIoTで「つながる町工場」
あらゆるモノがインターネットにつながる「IoT」(Internet of Things、読み方はアイ・オー・ティー)を活用する中小企業の動向について、もう1つ例があります。
前回①では、航空部品業界で企業同士が連携する動きでした。自動車業界でも、金属加工の今野製作所((株)今野製作所:東京都足立区今野浩好社長)など3社が進める中小連携、その名も「つながる町工場」プロジェクトが注目されています。
受注、製造、出荷までを共同で
今野製作所とエー・アイ・エス((株)エー・アイ・エス:東京都江戸川区 石岡和紘社長)、西川精機製作所((株)西川精機製作所:東京都江戸川区西川喜久社長)の3社が生み出したのは、受注から製造、出荷までを共同でこなす仕組みです。
得意分野が異なる3社が協力
3社はいずれも、従業員数十人規模の同業社ですが、板金や溶接など得意分野が微妙に異なっています。狙った案件について、3社が情報を共有して見積りを出し、受注につなげようというのです。
"3本の矢"のような関係
受注後は、各社で加工設備の稼働情報を共有するほか、生産指示、生産、出荷まで同じシステム「コンテキサー」で共有します。受注した幹事会社が、ほかの2社に発注すると、2社にはそれぞれ「受注」として表示されます。IoTを駆使して、まるで"3本の矢"のような関係をつくりました。
今野製作所の今野浩好社長は、「立地コストが高い都内で生き残るには、付加価値のある仕事をやらなければ」と意気込みます。システムは、来年から本格稼働します。
柏崎では「スマートファクトリーシティ」構想
新潟県柏崎市でも、大手と中小の連携による「スマートファクトリーシティ」構想が動き出しました。NTTドコモ((株)NTTドコモ:東京都千代田区吉澤和弘社長)や日本ゼネラル・エレクトリック(GE/日本ゼネラル・エレクトリック(株):東京都港区 熊谷昭彦社長)、OKI(沖電気工業(株):東京都港区鎌上信也社長)など大手や地元中小企業、新潟工科大学などが参画し、1つの製品の設計データから生産工程の稼働管理、販売管理までを共有できるシステムを導入します。人間関係より先に、情報が企業をつなげていくのです。
[2016.11.10]
[2016.11.10]
トラックバック(0)
このブログ記事を参照しているブログ一覧: 中小企業とIoT②:自動車業界で「つながる町工場」プロジェクト。受注、製造、出荷まで共同で。
このブログ記事に対するトラックバックURL: http://www.h-yagi.jp/mt5/mt-tb.cgi/2690
コメントする