IHI:世界初の「海流発電」実証実験へ!海流利用で安定した電力供給可能
資源貧国日本、世界初の海流発電実証実験へ
新しいエネルギー源をどこに求めるかは、資源の乏しい日本の喫緊の課題です。IHI((株)IHI:東京都江東区 満岡次郎社長)と新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が、海流や潮の干満などの「海洋エネルギー」を活用した発電技術の開発に乗り出します。今夏、鹿児島・口之島沖で行われる世界初の「海流発電」の実証試験機が公開されました。
年間を通じて安定した発電が可能
海流発電の実証機は、2枚のプロペラ(直径約11メートル)が付いた全長約20メートルの筒状の発電機2台と、変電機1台でできています。海中に浮かべたプロペラを海流で回転させ、その力でタービンを動かして発電する仕組み。発電能力は100キロワット。一定の方向・速さで流れる海流を利用するため、年間を通じて安定して発電できるのが最大の特徴です。
将来的には1基で3000軒分の電力を
IHIは、平成32(2020)年までの実用化を目指します。将来的には、1基当たりの発電能力を一般家庭2000キロワットまで高めたい考え。これは、3000軒の電力需要をまかなえる電力量です。生態系に与える影響の調査や、漁業権を巡る地元との調整なども必要になる。海流発電を商用化した例は世界でも例がなく、民間事業として成り立つかは未知数ですが、期待はできます。
太陽光や風力より「比較にならないほど高い」コスト
どの新技術もそうですが、それがイノベーションになりえるかのカギの1つが、コストです。1キロワット時当たり20~40円とされる太陽光や風力に対し、今回の実証機は「比較にならないほど高い」とされます。この壁をどう克服するか。海洋エネルギー発電の世界市場規模は、2兆円。平成42(2030)年には3兆円規模になると予測する調査もある。工夫のしどころです。
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[2017.7.26]
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