ご当地ブランドの可能性にアパレルメーカーも注目。シャツのHITOYOSHI、奈良の靴下、神戸シューズ
産地淘汰の結果、希少性アピールしやすく
「今治タオル」が全国区になったように、「ご当地ブランド」は、多くの可能性を秘めています。インターネット通販の普及で、販路のない地方企業でも消費者の目にとまりやすくなりました。産地の淘汰が進み、希少性がアピールしやすくなった面もあります。品質の良さや丁寧な仕事ぶりがネット内で評価されれば、その評判が広がるのです。例を見てみましょう。
ヒットした「人吉メードインジャパン」
シャツ製造のHITOYOSHI(HITOYOSHI(株):熊本県人吉市 吉國武社長)は、成功事例の代表です。平成23(2011)年に阪急阪神百貨店((株)阪急阪神百貨店:大阪府大阪市 荒木直也社長)と組んで作ったシャツ「人吉メードインジャパン」がヒットし、九州の百貨店や専門店や海外にも販路を広げています。売上高は平成28(2016)年に8億5千万円。平成21(2009)年に親会社が経営破綻し、素材や着心地にこだわったご当地ブランドに活路を求めました。平成29(2017)年は売上高9億円を目指します。
ご当地ブランドにはメーカーも注目
靴下で国内生産の6割を占める奈良県では、「奈良県靴下工業協同組合」(奈良県大和高田市 喜夛輝昌理事長)が、靴下の数え方にちなむ「The Pair(ザ・ペア)」を立ち上げ、東京都内のアンテナショップなどで売り始めました。やはり、組合員が減少していく危機感を突破口に変えました。こうしたご当地ブランドに注目するメーカー側の動きもあります。ワールド((株)ワールド:兵庫県神戸市 上山健二社長)は昨年から「新潟ニット」「長崎シャツ」などを展開しています。
くつにジュエリーまで「ご当地」の奥深さ
ご当地ブランドは、アパレルだけに限りません。婦人靴ブランド「神戸シューズ」(くつのまちながた神戸(株):兵庫県神戸市 新井康夫社長)は、銀座に常設店を出店。甲府市の産地ブランド「Koo―fu(クーフー)」((株)石友:山梨県甲府市 向山孝明社長)も、銀座・松屋で開いた宝飾品の期間限定店が好評でした。同社は、地元の宝飾品加工業者が平成18(2006)年に立ち上げたブランドです。
●関連記事:「アパレル業界「脱中国」:イトキン2016年撤退。サンコー鞄は国内自社工場化」[2017.2.24配信]
[2017.6.23]
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