西武HD:有料指定列車の運転と横浜アリーナ買収で横浜進出。勝算はどこに?
横浜進出はHD全体の転機に
西武ホールディングス((株)西部HD:東京都豊島区 後藤高志社長)が、自社の沿線から外れた「飛び地」である横浜に進出します。有料指定列車の運転と、多目的イベント会場「横浜アリーナ」の買収を2大事業とします。鉄道事業の増収を目指す以上に、HD全体の転機となる戦略です。
十分な連携もなく...
横浜は、西武HDにとって、身近でありながら、手付かずのエリアでした。傘下の西武鉄道(西武鉄道(株):東京都豊島区 若林久社長)は、東京急行電鉄(東京急行電鉄(株):東京都豊島区 野本弘文社長)と東京メトロ(東京地下鉄(株):東京都台東区 奥義光社長)、東武鉄道(東武鉄道:東京都墨田区 根津嘉澄)、横浜高速鉄道(横浜高速鉄道:神奈川県横浜市 鈴木伸哉社長)と5社相互乗り入れを行っていますが、連携は十分ではありませんでした。
平日は通勤に、休日は観光に
勝算はどこにあるのか。1つは、今年3月にスタートした有料の座席指定列車「S-TRAIN(Sトレイン)」の展開です。座席を進行方向に配置するクロスシートで、平日は埼玉・所沢から東京・豊洲を結ぶ通勤列車として運行し、休日は観光列車として横浜の元町・中華街と埼玉・秩父を結びます。この列車で、相互乗り入れのメリットを最大限引き出そうというのです。
イベント企画力を生かせるか
もう1つが、横浜アリーナの買収。西武HDが平成26(2014)年4月に株式を再上場して以来、初の大型M&A(合併・買収)案件となります。取得額は非公開ですが、70億円程度のもよう。横浜アリーナの平成27(2015)年12月期の営業利益は24億円、売上高営業利益率は50%でした。体験型の「コト消費」が主流となる時代、ここで手掛けた効果をグループ全体へ波及させる戦略です。多角経営の先駆的存在で、イベント企画力を持つ西部HDならではの展開といえます。
●関連記事:「みなとみらい・東横・副都心・西武・東武鉄道、相互直通運転開始!地域経済効果に影響は埼玉?横浜?」[2013.1.29配信]
[2017.4.7]
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