ヤマトHD:高性能3Dプリンター導入で製造分野へ本格参入。受託製造して配送へ
物流業界が製造分野へ
関連業種への進出はよくある話ですが、物流大手のヤマトホールディングス(ヤマトHD(株):東京都中央区 山内雅喜社長)が、物流拠点に「高性能3Dプリンター」を設置し、受託製造した製品を宅配便で配送するという新ビジネスに乗り出します。日本通運(日本通運(株):東京都港区 渡邉健二社長)も、追随する様子。物流業界の製造分野への挑戦が本格化します。
航空宇宙や医療向け部品に対応可能
ヤマトHDは、大型物流拠点「羽田クロノゲート」(東京都大田区)に、米国製3Dプリンターを導入しました。樹脂などを何層にも積み重ね、デジタルデータを立体造形物として実体化するこの装置のなかでも、航空宇宙や医療向けの部品に対応する能力を持つ超高性能のものです。
2025年度100億円の売上げ目指す
今年2月、一人ひとりの患者に合わせた形状が求められる医療関連製品の受注生産サービスが始まりました。製造期間は3日程度と、7~10日かかった専門の工場に発注するよりはるかに速い。将来は機械部品などにも広げ、平成37(2025)年度に100億円の売り上げを目指します。
海外生産の製品を日通が一括請け負い
日本通運は、受託製造仲介のカブク((株)カブク:東京都新宿区 稲田雅彦社長)と組み、やはり、物流拠点に3Dプリンターの設置を検討中です。カブクは、世界33カ国約300の提携工場にオンラインで製造を発注できるサービスを運営する企業。両社は、3Dプリンター工場の世界的ネットワークづくりを視野に入れ、海外で生産した製品の輸送を日通が一括で請け負う計画です。
物流の"川上"をターゲットに
こうした動きの背景には、本業の宅配便が人手不足によるコスト上昇にさらされていることがあります。効率化を最優先にしてきた企業が、物流の「川上事業」をターゲットにした格好です。
●関連記事:「拳銃、人工骨、精密部品...3Dプリンターで急進する「ものづくり」革命/「大手→中小」ノウハウ指南、技術革新」[2013.12.20配信]
[2017.2.17]
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