ドンキホーテHD:売上11%増、利益10%増、好調維持/"インバウンド消費に陰り"の逆風を追い風に!
国内景気の"下支え役"として政府が期待する「訪日外国人(インバウンド)消費」に、陰りが見えてきました。
こうしたなか、流通業界に吹き寄せる業績低迷の逆風をものともせず、好調を維持しているのがドンキホーテホールディングス((株)ドンキホーテHD:東京都目黒区大原孝治社長)です。独り勝ちの背景には、逆風を追い風にした経営戦略があります。
円高で購買意欲が低下、3年半ぶりのマイナス
内閣府が発表した4~6月期の国内総生産(GDP)速報値では、インバウンド消費を示す「非居住者家計の国内での直接購入」が前期比4.5%減。マイナスになったのは3年半ぶりで、安倍政権が発足してからは初めてでした。
円高で旅行者の購買意欲が低下した影響が大きいといえます。1~3月期は1ドル=110~120円程度だった円相場が、4~6月期は10円近く円高に振れました。
連結売上高、前期比11%増、営業利益10%増
こうしたなかで、ドンキは、平成28(2016)年6月期の連結売上高が、前期比11%増の7595億円、営業利益は同10%増の431億円に上りました。
平成19(2007)年に買収した長崎屋の店舗を衣替えし、地方に積極出店している「MEGAドン・キホーテ」が、業績をけん引した格好です。
消費者の根強い低価格志向をつかむ
「価格の安さが地方の消費者の支持を得ている。このディスカウント店が総合スーパーやホームセンターから客を奪った」と分析しています。
一時は、高額品の消費が復活したと言われましたが、消費者には、根強い低価格志向があったということで、その意識を着実につかみとった結果です。
インバウンド消費の売上高は前期の2倍!
さらに、インバウンド消費の変化も、追い風にしました。
ドンキでは、前期のインバウンド消費の売上高が、前期に比べて2倍の313億円と伸びています。
他社との明暗を分けたのは、品ぞろえに加え、強みの価格訴求力。訪日客が自分で使うために買う化粧品や医薬品、食品などには依然、大きな需要があり、ここでも低価格販売のドンキホーテが選ばれたのです。
[2016.08.29]
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