足利HDと常陽銀行が経営統合で合意。地銀の再編により融資可能な経済圏が地方にも広がる。
統合で地銀グループ第3位に躍進
金融機関再編の動きが「地方銀行」でも活発化しています。栃木県を地盤とする「足利銀行」を傘下に持つ「足利ホールディングス(HD)」(本社・宇都宮市)と、茨城県が拠点の「常陽銀行」(本店・水戸市)が、2016年10月に経営統合することで合意しました。連結総資産は計約15兆円で、地銀グループで第3位に躍り出ます。再編加速の呼び水になるでしょう。
新銀行は、「足利HD」傘下に両行が置かれる形をとります。社長は常陽銀から、副社長は足利銀から出し、拠点は東京に置く見込み。新銀行名はこれからです。地銀間の競争が激化するなか、隣接する栃木、茨木の2行が経営統合することにより、事務部門の統合などのコスト削減と、2県のほか、隣接する埼玉や群馬、東京、千葉など首都圏に広がる計331の店舗ネットワークをいかした貸し出し増を行う両面作戦です。2行とも県内ではトップ銀行です。
群馬銀行の合流なるか?
この動きは、周辺地銀を刺激します。まず考えられるのは、群馬県のトップ行である「群馬銀行」の合流。これにより、地域性をふまえつつ、都銀に負けない融資ができる経済圏が広がります。そうなると、茨城、栃木、群馬県の2番手地銀である「筑波銀行」「栃木銀行」「東和銀行」の3行も動かざるを得ない。この3行は14年12月、「地域経済活性化に関する広域連携協定」を締結し、取引先の相互交流を活発化させていますが、さらに先を目指すでしょう。
景気回復がなかなか地方に波及しないものの、安倍政権の方針もあり、これから地方重視の時代です。地方の活性化のため、地銀グループと地元企業が「広域」の意識を共有し、知恵を出し合う。再編は、あるべき姿への前向きな動きと言えるでしょう。
[2015.12.3]
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