自動運転車の考察⑤:道路測量システム、市販車搭載のカメラやGPS...。日本の開発現場が活発!
日本の3D地図はシリコンバレー凌ぐ
先に、自動運転技術の安全対策として、日本の地図会社などの「次世代型高精度3D地図」が有望だと書きました。当然、自動車メーカーなどの動きも平成22(2010)年頃から本格始動しており、補足しておきます。「日本の3D地図はシリコンバレーの先を行っている」とさえ言われる日本の開発現場は、実に活発です。
車のカメラやGPSから地図を自動作成
トヨタ自動車(トヨタ自動車(株):愛知県豊田市 豊田章男社長)は、市販車に搭載したカメラや全地球測位システム(GPS)を使って、高精度な地図を自動で作るシステムを開発しました。高額な計測車両ではなく、市販車を活用することで、低価格で頻繁に情報が更新できます。
日産自動車(日産自動車(株):神奈川県横浜市 カルロス・ゴーンCEO)も、市販車のカメラやGPSが集めた情報から地図を自動作製するシステム開発で、トヨタと競っています。
道路の測量システムが3D地図開発の核
3D地図開発の「核」ともいえるのが、三菱電機(三菱電機(株):東京都千代田区 柵山正樹社長)の「モービルマッピングシステム(MMS)」です。
道路工事などで使う測量システムが、この数年、自動運転用の3D地図を作るシステムとして再注目されました。GPSより100倍以上高精度の準天頂衛星を使うため、誤差も100分の1程度に抑えられ、対象物の色の情報まで取り込んでいます。立体でさらに着色もされていれば、対象物が何かの判断は飛躍的に容易になります。
もちろん、海外もこの分野を虎視眈々と狙っており、独自動車メーカーのアウディ(バイエルン州インゴルシュタットスヴェン・シュタイン社長)、BMW(バイエルン州ミュンヘン:アラン・ハリス社長)、ダイムラー(バーテン・ヴュルテンベルク州シュトゥットガルトディーター・ツェッチェ会長)の3社が昨年末、地図情報サービス大手の独ヒア(ベルリン州)を総額28億ユーロ(約3400億円)で共同買収する動きなどがあります。
自動運転車ニーズの先端国日本
すでに高齢社会を迎え、身分証明書代わりの運転免許証、すなわちペーパードライバーの多い日本。待ち望んでいる潜在ニーズも自動運転車ニーズの先端国です。小池都知事の「都民ファースト」言い換えれば"利用者目線"での開発こそ、開発した技術が世界の市場を席けんすることになるのもそう遠くないでしょう。
[2016.09.07]
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