自動運転車の考察②:GM、グーグル、中国・百度など、日本は9年後のレベル4を目標。
米フォード・モーター(カリフォルニア州 マーク・フィールズCEO)が完全自動運転車の開発に舵をきりましたが、この"世紀の事業"を巡る米国の状況は、完成車メーカーの同業他社、関連技術企業、そして海外も加わり、激しい競争が起きています。
日本は2025年までにレベル4実現を目指す
自動運転の技術は4段階に分けられます。ハンドルを切ったり加速したりする複数の操作を同時にシステムが担う「レベル2」は、すでに一部実現しました。
すべての操作をシステムが行い、緊急時はドライバーが対応するのが「レベル3」。完全自動運転は「レベル4」で、この段階では、坂道の勾配やカーブの正確な角度などの細かな情報を盛り込んだ立体地図も不可欠です。
日本では、平成32(2020)年をめどに「レベル3」、平成37(2025)年をメドに「レベル4」の実現を掲げています。
GMはフォード/フォードのライバルに5億ドル出資
フォードのほか、米ゼネラル・モーターズ(GM/ミシガン州 ダニエル・アンカーソンCEO)など、他社の動きも活発です。
GMは、フォードが無人タクシーの車両供給先の1つとして選んだ企業のライバル社に、5億ドル(約500億円)を出資しました。近く、共同で無人タクシーの実験を始めます。
関連技術の開発では、米グーグル(カリフォルニア州 スンダー・ピチャイCEO)が、圧倒的に先行。
海外では、欧州のほか、中国のインターネット検索大手の百度(バイドゥ/北京市 李彦宏CEO)が、フォードと同じ光センサー大手、米ベロダイン(カリフォルニア州デビッド・ホールCEO)に7500万ドル(約75億円)を出資するなど活発です。
運転に関わらない車の時代
近年高齢者の運転は大事故になり易いとされています。安全が担保されれば、ハンドルやアクセルもない、ドライバーが運転に関わらない車が、これほどの技術の進歩で、いずれは手が届くものになるのです。
[2016.09.01]
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