日本の1人当たりのGDPはOECD34カ国中20位。超高齢社会は右肩上がり前提の社会ではない。
いまこそGDPを冷静に見つめる時
日本の国力を冷静に見極めるうえで、参考になる数字が出ました。国や地域の生産性の高さの目安となる「1人当たり名目国内総生産(GDP)」です。2014年、日本は先進国が加盟する経済協力開発機構(OECD)の34カ国の中で「20位」でした。内閣府が昨年12月25日発表した、同年の国民経済計算確報によるものです。残念ながら、資料がある1970年以来、最低です。
日本の1人当たり名目GDPは、3万6230ドルで、前年比6%減。前年は初めてイスラエルに抜かれて19位になりましたが、さらに下げました。1996年は3位でしたが、21世紀に入ってからは落ち続けています。ちなみに、1位はルクセンブルクで、以下、ノルウェー、スイス、豪州、デンマーク、スウェーデン、米国、アイスランドの順です。韓国は23位。世界銀行などの統計を加味すると、日本は、韓国やシンガポールにも抜かれています。中国のGDPは8000ドルですが、都市と地方の格差が大きすぎるからで、全体の伸び率は8.6%でした。
超高齢社会は成長前提の社会ではない
所得から貯蓄に回した割合を示す「家計貯蓄率」では、日本は前年より0.1%増え、5年ぶりに前年を上回りました。女性や高齢者など働く人が増え、国民全体の所得が膨らんだためとみられますが、高齢化が進めばこの貯蓄を切り崩すため、内閣府も「大きな流れでは低下傾向」としています。消費増税前の駆け込みの反動で消費が減り、貯蓄に回った面もあるでしょう。
これが現実です。正しく認識しなければなりません。超高齢社会は、右肩上がりの成長を前提とする社会ではないのです。そのうえで、どう生きるか、どんな知恵を出せるかが問われています。
[2016.1.6]
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