GDP(内閣府):1~3月期の国内総生産は1%以下の成長率。景気の足踏み感、海外事情の影響大
不安定な海外の経済事情から、アベノミクスに陰りがみえ始めました。
日本経済の「基礎体力」を強くする成長戦略が求められますが、内閣府が発表した、1~3月期の国内総生産(GDP)速報値は、やはり厳しい数値でした。1%以下の成長率で景気の足踏みが続いています。
実勢は1%以下の成長率
速報値は、実質の季節調整値で前期比0.4%増、年率換算で1.7%増でした。一見、よい数値に見えますが、「実質」値は、物価変動の影響を除いています。
この数値には、例年より1日多い「うるう年」の影響があることも見逃せません。うるう年による"かさあげ"で、GDPは年率で1%強押し上げられるとされ、その分を除くと、実勢は1%以下になります。経済の支え役になっている設備投資は前期比で1.4%減、3四半期ぶりの落ち込みでした。
世界経済の弱さが直撃
余力があるとみられるインバウンド業界からも、前向きな声は聞かれません。三越伊勢丹ホールディングス ((株)三越伊勢丹HD:東京都新宿区 石塚邦雄会長)は、「頼みの訪日客消費の客単価が低下傾向」と懸念しています。世界経済の弱さが、日本の景気を直撃しているのです。円高、熊本地震、伸びない国内消費......今は、力をため、新展開を練る時期と言えそうです。我慢の時代はまだまだ続きます。
「iPhone」減産、日本国内のメーカー打撃
電子部品では、「米アップル」(アップル インコーポレイテッド:米国カリフォルニア州アーサー・レビンソン会長)の「iPhone」減産で、高性能部品を供給する日本国内の部品メーカーが打撃を受けました。家電大手「日立製作所」(株)日立製作所:東京都千代田区東原敏昭社長)すら、「GDPの見かけの数字が上がったくらいでは、景気が良くなった感じはない」と、体感をストレートに表現した厳しいコメントでした。
[2016.05.27]
トラックバック(0)
このブログ記事を参照しているブログ一覧: GDP(内閣府):1~3月期の国内総生産は1%以下の成長率。景気の足踏み感、海外事情の影響大
このブログ記事に対するトラックバックURL: http://www.h-yagi.jp/mt5/mt-tb.cgi/2535
コメントする