マツダ「EV・HV」に対抗!ガソリンエンジン革命、「MAZDA3」世界へ投入
燃費3割向上、CO2もHV車並み
マツダは11月28日、米ロサンゼルスで来年世界に投入する新型小型車「MAZDA3(日本名:アクセラ)を世界で初公開しました。
世界の自動車市場がEV(Electric Vehicle:電気自動車)やHV(Hybrid Vehicle:モーター付ガソリンエンジン自動車)へ移り変わる中、あえてガソリンエンジンで勝負をかけます。
新たなエンジンは、燃費を最大3割向上させ、CO2(二酸化炭素)も排出量でHVに近いレベルに達し、環境性能でも研究・開発されました。
マツダのエンジン開発者30人、トヨタは1,000人
マツダは、現行エンジンを約20年前から開発していましたが拡大路線に失敗し、経営も悪化しており、エンジン開発者はトヨタの約1,000人に対しわずか30人ほどでした。
平成8年には、経営難から米フォード自動車傘下となり、窮屈な開発や販売を強いられたものの、その後、平成23年に現行の「スカイアクティブ」エンジンを投入し、燃費向上、車体デザインも一新し世界販売台数は、平成24年の124万台から163万台にまで伸ばしました。
SUV(多目的スポーツ車)の「CX-5」のヒットもあり、マツダの業績を支える推進力となりました。
EVにも技術提供、日系9社でEV開発へ
一方、マツダは平成29年にトヨタ自動車やデンソーなどと出資し、EV自動車開発の「EVシー・エー・スピリット社」を設立し、いすず自動車も合流し、日産自動車、ホンダを除く日系9社連合が作られました。
EV開発は進んでおり、2020年以降に各社のEVが反映される計画です。
EV自動車市場の先行きの見通しを読むのは困難であり、欧州や中国では数年後にはガゾリン、ディーゼルエンジン廃止と掲げていますが、電池コストや充電インフラもどの程度のスピードで普及するかは、自動車評論家の間でも差があります。
ただ、マツダでは、わからないこそ効率よく開発できる体制を作っておくと、技術を磨き続けます。
「王シフト」ヒントに
マツダでは、コンピューター上でのシミュレーションを活用し、15年前から効率よく性能評価の約75%で行い、残りは試作車で確認しておます。
この技術は、昭和29年の後楽園球場(現東京ドーム)でのプロ野球、巨人対広島戦で試合終盤に元巨人の王貞治選手がバッターボックスに立った時に内外野手が一斉に守備位置を右に移し「王シフト」が生まれました。
これは、当時の広島の親会社の東洋工業(現マツダ)松田社長が自動車のシミュレーション技術を活用して「王シフト」が生まれたものでした。
当時、9連覇の巨人相手に弱者である広島の姿勢は、現在のマツダの業績にも反映されているようです。
●関連記事:「ル・マン24制覇でもエコには勝てない!マツダ・技術屋の誇り、ロータリーエンジン生産終了」[2011.10.12配信]
[2018.12.4]
トラックバック(0)
このブログ記事を参照しているブログ一覧: マツダ「EV・HV」に対抗!ガソリンエンジン革命、「MAZDA3」世界へ投入
このブログ記事に対するトラックバックURL: http://www.h-yagi.jp/mt5/mt-tb.cgi/3327
コメントする