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政府EPA、TPPで二の足/日本経団連「農業成長産業化促進法」提言

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農水省、輸出1割アップで満足?
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農林水産省が2月10日公表した「平成22年農林水産物等輸出実績(速報値)」によると、昨年の農林水産物の輸出額は前年より10.5%増の4,921億円となったとありました。農林水産省では、急激な円高となった昨年、輸出に取り巻く状況は厳しいとしながらも、平成19年以来の輸出増加だったと言います。しかし、平成19年の輸出額5,160億円にも満たない輸出額には、より一層の輸出強化が望まれます。

林・水産物2ケタの伸び、農産物1ケタに甘んじる
対前年比を見ると林産物が13.6%増、水産物は13.1%と2ケタで伸びる林・水産物に対し、農産物は8.7%増の、1ケタの伸びと「日本の開国」を宣言したAPECが11月だったこともあるのか、TPP(環太平洋経済連携協定)参加に向けた準備の遅れが指摘されそうです。輸出国では構成比24.6%の香港がトップで、次いで台湾の12.4%、中国11.3%とアジア勢が73.6%を占め、米国の15%、欧州の7.1%となっています。今年は、経済成長力の高い新興国の中国など政府と、TPP参加に断固反対の農林水産物関連団体と手を組み、輸出国へ「日本のおいしい食」を売り込んで輸出3~4ケタ伸びを見せてもらいたいものです。

多様な農業/就農人材の確保が緊急課題
政府は、先週10日まで行われた豪州とのEPA(経済連携協定)交渉で、日本は自動車を、豪州は小麦、砂糖などを関税を巡り、折り合いがつかずに合意には至りませんでした。TPP交渉では原則、全品目が関税撤廃となります。農業関係者に遠慮がちな政府は、日本の農業を守るために「技術大国・日本」を衰退させてしまうと言われても仕方がないでしょう。
TPP参加推進の日本経団連は、2月10日、豪州とのEPAでもたつく政府をよそに日本の農業の構造改革に関する提言を発表しました。同連合会では、TPPやEPA交渉での締結、合意を視野に新しい法案を制定し国際競争力の強化に向けた目標の設定が必要と指摘しています。日本の農業は、後継者不足や耕作放棄地の拡大で「国内の食料生産基盤が崩壊しかねない」という状況になっていると強調。企業の参入や若年層の就農で「多様な担い手の確保が緊急の課題」と分析しています。

経団連:農業変革に農業成長産業化促進法(仮称)を提言
日本経団連の具体的な提言とは、企業の農業参入促進に関する出資の緩和や若年層の就農促進への助成、新規就農者への農地斡旋などの支援拡充です。また農業の競争力の強化には、「経営規模の拡大と生産性の向上を加速する支援措置も不可欠」として農業規模拡大に税制上の特例措置拡充、農地の売却、賃貸など収入に対しての所得税など優遇措置も加えられています。
日本の農産品の競争力強化に、5年後、10年後の目標を設定した「農業成長産業化促進法(仮称)」の制定も提言しています。農林水産省や経済産業省の代わりに産業界を代表して日本経団連が具体策を発表してくれました。同連合会では、目標を達成しても輸入品と価格に差がある場合にはその分を補填する枠組みを設ける必要があるとしています。

農林水産省:国内米の買入れに基金取り崩し/TPPと逆行か!抵抗か?
先週の豪州とのEPA交渉の進捗、また1月27日の衆院本会議では、菅首相がTPPを「IPP協定」と読み違えるなど「おいおい大丈夫なの?」と心配が募ります。
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JA全農(全国農業協同組合連合会)が発表した1月末の相対取引状況によると56の産地、銘柄のうち5銘柄で基準価格が上昇したとあります。農林水産省が昨年12月に発表した相対取引価格も60kg当たり12,711円と昨年7月以来の上昇とあります。上昇した背景には、昨年12月の農林水産省の18万トンの買入れと報道がありました。米穀安定供給確保支援機構も、農業団体が積み立てた基金で13万トンを買い取ったと報じています。
農林水産省では、「あくまでコメの備蓄が目的で、米価維持のためではない」としていますが、「強く、攻める農業」の真逆の行為とも言えるでしょう。

一貫性のない対応で日本の産業に打撃も・・・
「日本の開国」を宣言しEPA、TPP交渉を進めながら、一方では「日本の農業」をいつまでも守り続けるなど、政府の一貫性のなさは「日本の産業に打撃を加えた年」にもなりうります。政府、産業界、農業関係者が今、一丸とならなければ世界から日本は取り残されてしまうでしょう。サッカー日本代表のザッケローニ監督のような短期間でもチームをまとめ、結果の出せるリーダーとなって欲しいものです。

[2011.2.14]

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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
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