ANA:羽田⇔北陸路線3割減便!北陸新幹線人気/「小松」「富山」4~5割減続く
ANAの北陸路線、3割減便
2015年3月に開業し、金沢方面への観光客を急増させた「北陸新幹線」。その活況の影で、「全日本空輸」は3月下旬から、羽田空港発着の北陸路線を3割減便することを決めました。航空機の小型化や割引拡大などの対応策も、搭乗者数の減少を食い止めるには至りませんでした。
全日空は、羽田空港発着の「小松線」と「富山線」をそれぞれ1日6往復、運航しています。これを1日4往復にします。北陸新幹線の開業以来、搭乗者数は前年同月比4~5割減が続きました。全日空に比べ、北陸路線の便数が少ない日本航空は、今後も現行便数を維持します。
新幹線人気の一方、移動手段が減ると......
本来なら共存すべき交通手段に、はっきりと明暗がつきました。北陸新幹線は、東京―金沢間を最短2時間28分で結び、運賃は1万4120円。搭乗便や購入時期によって異なりますが、全日空の運賃とほぼ同じです。今回の決定を受け、石川県の谷本知事は、「官民挙げて(空路の)様々な利用促進策に取り組んでいる」と述べ、便数維持を求める考えを示しました。北陸新幹線の人気と観光客増は望ましいけれども、東京との移動手段が減れば、利用者の利便性が損なわれ、東京都の"距離感"も遠くなります。知事の主張も納得できます。
新幹線効果により、15年に石川県を訪れた客数は約2500万人と、前年比約15%増加しました。このうち関東からの利用が450万人を占め、伸び率は8割を超えています。観光名所である兼六園(金沢市)の入場者数は、5割増の288万人。空路が減れば、観光への影響も出るでしょう。地域の論理と、公共的役割の強い企業の論理。食い違いつつも共存する者同士、最適なバランスを見つけほしいものです。
[2016.1.29]
トラックバック(0)
このブログ記事を参照しているブログ一覧: ANA:羽田⇔北陸路線3割減便!北陸新幹線人気/「小松」「富山」4~5割減続く
このブログ記事に対するトラックバックURL: http://www.h-yagi.jp/mt5/mt-tb.cgi/2413
コメントする