民泊考①:法整備が難航するなか、企業が先手。米国Airbnb、日本は京王電鉄に注目
民泊拡大で先手先手の打つ企業
訪日外国人観光客が急増し、"おもてなし"文化を産業化するための根幹として重要な「民泊」。旅館業界などの反発があり、法整備が難航していますが、しびれを切らしたように、企業が先手先手を打ち始めています。ただし、その先頭に立つのが、米国企業であることが寂しい。
エアビーアンドビー利用の訪日客は約370万人
いま注目を集めているのは、民泊仲介世界最大手、米エアビーアンドビー(カリフォルニア州 ブライアン・チェスキーCEO)。平成28(2016)年に同社のサービスを使った訪日客は約370万人で、平成27(2015)年に比べて約2.7倍に伸びました。今年2月、次の一手として、利用者が安心して利用できる新機能を盛り込む方針を表明。自社の独自システムで、貸し出し日数を自動的に管理し、予約などに不備が出ないようにします。一部の自治体が採用している宿泊税の徴収・納付を代行したり、自治体への民泊の申請を手助けしたりする機能も仲介サイトに加えます。
「民泊は安全で格安」を定着させるために
これらは、民泊を利用する際の手軽さを強化し、また、民泊自体の質を高める戦略の一環です。法整備が遅れるなか、旅館業法などが定める要件や基準を満たさないグレーな民泊を使う訪日観光客が相当数いるとみられます。彼らの間に「民泊」=「安全で格安」という認識を定着させることがなにより必要であり、それは民泊業界、観光業界全体の利益になるはずです。
鉄道業界で初の民泊運営は京王電鉄
日本でアイデアが目立つのは、京王電鉄(京王電鉄(株):東京都多摩市 紅村康社長)でしょうか。このほど、東京のJR蒲田駅近くの「カリオ カマタ」を公開しました。2DKのメゾネットタイプの客室に入ると、システムキッチンのほか冷蔵庫、洗濯機なども備えられ、マンションのデザインも洗練されています。鉄道業界で民泊物件を保有し、運営も手掛けるのは初めて。ともかく、新機軸を次々と打ち出し、民泊文化を熟成させてほしいと思います。
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[2017.3.8]
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