国交省:AIを駆使して観光地の渋滞防止実験開始!ETC、観光地カメラつなぎ解析
交通データをもとにAIで渋滞防止
国土交通省は今秋、人工知能(AI)を活用して、観光地の渋滞を防ぐ社会実験を始めます。訪日観光客の増加に伴う交通渋滞が問題になるなか、自動料金収受システム(ETC)や街頭カメラで長期間集めた大量の交通データをもとに、混雑する場所や時間帯を予測し、スマートフォンなどで利用者に知らせる、という試みです。日本のイメージアップにも有効でしょう。
ETCと観光地のカメラをつなげて
今年8月、この実験を行う観光地「観光交通イノベーション地域」の公募を開始。9月には2~3カ所を選定し、年内にも実験をスタートさせます。乗用車やタクシーのカーナビゲーションに搭載されている通信機器「ETC2.0」と、観光地の中心部などに設置する高機能カメラをつなげます。
渋滞の可能性の高さ、2~3年かけて検証
詳細な走行場所と時間に関するデータ、車の交通量、人の通行量などをきめ細かく把握し、これをAIに覚えさせる。AIは、道路の状況を分析し、渋滞の可能性が高い場所と時間帯を導き出す、という流れです。結果は、2~3年かけて検証します。
快適な周遊や観光の質向上に一役
AIの学習機能がフルに機能すれば、従来に比べ、迅速で精緻な交通規制が可能になるでしょう。その結果が、スマートフォンのアプリなどで配信されれば、混雑時間帯を避けてもらい、快適な周遊をしてもらったり、渋滞緩和につなげて観光の質をあげたりすることも可能です。
インバウンドのためにも解消は避けられない
観光地の渋滞は年々、深刻化しています。同省が全国で渋滞が頻繁に起きる約9100カ所(平成27(2015)年12月時点)について分析したところ、観光目的のマイカーやバスが原因だった地点が、全体の約2割を占めました。政府は、平成28(2016)年時点で約2400万人の訪日観光客数を平成32(2020)年に4千万人に引き上げる目標を掲げており、渋滞解消は、もはや避けられない課題なのです。
●関連記事:「首都高中央環状線開通効果、1ケ月で渋滞4割解消!物流は配達時間安定,、観光は滞在時間延長」[2015.5.27配信]
[2017.8.21]
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