富士フイルム、オリンパス:内視鏡技術にAIを融合。検査技術の開発でイノベーション王道へ
イノベーションの王道、AI
富士フイルム(富士フイルム(株):東京都港区 助野健児社長)とオリンパス(オリンパス(株):東京都新宿区 笹宏行社長)が、内視鏡と人工知能(AI)を高レベルで融合させ、胃がんなどを検査する最新技術の開発に乗り出しました。平成32(2020)年にも実用化します。医師が画像をみる時間の節約、精度の向上、医療費抑制など、相乗的な効果が期待できるイノベーションの王道です。
世界最高水準の内視鏡技術を異次元まで進化させる
富士フイルムもオリンパスも、医療機器である内視鏡の開発技術は世界最高水準にあります。そこに、AIの分析能力を加え、性能を異次元まで進化させます。胃や大腸の検査の際、内視鏡で撮影する画像は1回150枚前後。医師がそれをチェックますが、当然見落としもあり、何より膨大な時間がかかります。AIが病変の疑いがある部位を選び、医師に示すことができれば、画像チェックにかける時間は現在の現在の半分以下に短縮されるとみられます。
ディープラーニングで鑑別スキル向上
AIの判断の基準となる検査画像は、大学病院などを中心に、全国32の病院から平成29(2017)年度末までに30万件が提供されます。AIは、自らが精度を向上させるディープラーニング(深層学習)技術を駆使し、経験を積むごとに鑑別スキルを向上させていきます。このAIの学習技術は東京大学などが担当。長らく理想とされてきた産官学一体の成功例にしたいものです。
変わる、病院の検査風景
富士フイルムの医療事業の売上高は、平成27(2015)年度で約4200億円。オリンパスは6100億円でした。両社とも、これを契機に産学協同で開発スピードを上げる方針です。新たな技術開発が病院の検査風景を変え、医療とコンピューターの関係を変えます。まさに医療業界は戦国時代です。
●関連記事:「ソニー×オリンパスが共同出資:ソニー・オリンパスメディカルソリューションズ/4K内視鏡を開発。医療分野に切り込み!」[2015.10.1配信]
[2017.5.24]
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