全国の森林組合の93%は人手不足。従事者は5万人割れ、平均所得305万円で林業成り立たず
森林組合の93%が人手不足に
国土の3割近くを人工林が占める日本。ところが、全国の森林組合の93%が人手不足に陥っており、森の維持が危機に瀕している実態が、日本経済新聞が行った林業調査で分かりました。スギやヒノキなど、戦後に植えられた人工林は立派に育っているのですが、残念なことです。
林業の課題は「丸太の販売価格の低さ」
日経新聞が今年1月、市場経済の調査会社を通じて、全国393の主な森林組合や木造住宅メーカーにアンケートを送りました。306団体・社が回答(回答率77.9%)。それによると、「人手不足」については、43%が「不足している」、41%が「やや不足している」とし、9%は「不足して経営に影響が出ている」と答えました。「林業の課題(複数回答)」では、78%が「丸太の販売価格の低さ」をあげ、人手不足や国産材需要の少なさを上回りました。
平均所得305万円で全産業平均を下回る
昭和55(1980)年と比べてみます。14万人を超えていた林業従事者は、平成27(2015)年に5万人を割り込みました。スギ中丸太やヒノキ中丸太の平均価格も、ピークだった昭和55(1980)年より2~3割下がっています。平成25(2013)年度の林業従事者の1人当たり平均所得は、305万円。全産業平均の414万円を26%下回りました。こうした状況下、林業が成り立たず、人工林の多くが放置されているのです。
公共建築物は開拓の余地大?
林野庁によると、公共建築物の木造率は1割(平成26年度着工分)にとどまっており、開拓の余地は大きいとみています。確かに小中学校の校舎や公民館などの施設が、木造になったら素晴らしい。耐震、耐火対策など最先端の技術を結集させ、ぜひとも、日本の森文化を守りたいものです。
関連記事:「新国立競技場建設に国産材使用の方針が決定。森林認証制度に注目が集まる!」[2016.3.16配信]
[2017.3.14]
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