新設住宅着工戸数、8ケ月連続で減少!「分譲マンション」だけが増加
2月の住宅着工戸数、前年同月比2.6%減少
国土交通省は3月30日、今年2月の新設住宅着工動向を発表。2月の新設住宅着工戸数は、6万9,071戸で、前年同期比で2.6%減少しました。また、季節調整済年率換算値では、92万6,000戸と前月からは8.2%増加しました。
新設住宅着工の動向は、前年同月比で8ケ月連続で減少となっており、利用関係別で見ると、「持家」は2万13戸と前年同月比で前月の増加から6.1%再び減少へ。「貸家」も2万9,420戸と前年同月比で4.6%減少し、減少は9ケ月連続です。
「分譲一戸建住宅」は2ケ月連続減少
一方、「分譲住宅」は、前年同月比で3ケ月ぶりに3.4%増加となりました。このうち「分譲マンション』は同9.3%増で3ケ月ぶりの増加に転じ、「分譲一戸建住宅」は同1.3%減と2ケ月連続で減少しました。
新設住宅着工戸数は、住宅投資の動向を見るために注目されており、戸数が注目されますが、景気動向指数の先行指数には床面積が採用されています。住宅の売れ行きは、消費者心理を表すもので、景気の先行きを見通す一つの目安となっています。
建材、建築関連企業や家具、家電、自動車買い替えニーズも上昇
新設住宅着工の増減は、建材や建築関連企業や住宅購入に伴う家具や家電製品、自動車などの買い替えニーズも生み出し消費に大きな影響を及ぼします。GDP(Gross Domestic Product:国内総生産)を上下させる要因ともなっています。
国土交通省によると平成29年の新設住宅着工戸数は、前年から0.3%減少し96万4,641戸と、3年ぶりにマイナスに転じました。相続税対策などで増加傾向にあった「貸家」が落ち着き、「持家」の売れ行きが鈍ってきました。
日銀のマイナス金利政策で住宅ローンは超低金利ながら、昨年後半からブレーキがかかり始め、国土交通省では「郊外ではニーズがピークアウトした」と分析しています。
不動産価格指数、上昇傾向
日本は人口が減少する時代を迎え、すでに空き家も数多く放置され問題にもなっており、今後の住宅着工の動向が注目されますが、国土交通省が3月28日発表した、昨年12月の不動産価格指数を見ると、「住宅総合」は109.0(2010年平均=100)と上昇傾向です。
このうち、「戸建住宅」は101.1と前月tからほぼ横ばいですが、「マンション・アパート(一棟)』は134.7と高くなっています。
不動産価格指数は、国際指針に基づき広域的な不動産取引の時間的な変化を把握するものです。昨年の首都圏の新築分譲マンションの平均価格は5,452万円と平成23年以降最高額になるなど、今後の着工戸数の動向が注視されます。
●関連記事:「新設住宅着工戸数、3年ぶりに減少!首都圏、地方の住宅格差は拡大!?」[2018.2.5配信]
[2018.4.6]
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