会計検査院:保証協会基金「過大」88億、経済産業省に改善求める!
信用保証協会は中小企業向け運転資金・設備資金融資が支払い不能になった際に、大半を肩代わりする公的な制度。会計検査院は当該基金が過大になっているとして、管轄の経済産業省に改善を求めました。試算では、適正な基金を約88億円超過していました。
05~09年度会計で236億7000万円を交付
05年度に、信用保証制度の促進と協会の経営基盤強化を目的として、損失の補てんに充てる基金を全国52の信用保証協会に創設しました。基金の運営維持に必要だとして、各協会に05~09年度会計で合計236億7000万円の補助金を交付されました。
基金の損失補てんは計約25億円
会計検査院によると、05~08年度に全国の基金が使われた損失補てんは計約25億円で、08年度末の基金残高は計約170億円。島根、宮崎、鹿児島県の3協会では、信用保証した融資額が全額返済不能に陥り焦げ付いたとしても、その損失見込み金額以上が基金に残っていました。また、29の保証協会は基金で補てんした肩代わり分の一部を債務者から回収をしながらも、回収した金員を基金に再積み立てず、計約2795万円を国庫一般財源に組み入れていました。目的を履き違えた資金の流れが発覚したのです。
近い将来の損失補てんを予期
信用保証協会では、セイフティーネット保証や「条件変更対応保証制度」、「景気対策緊急保証制度」など景気に配慮した保証制度を用意しています。当然デフレ局面では基金を利用した損失補てんの比率が上がることが予想できる。関東地方の信用保証協会では、電話取材に対して基金の取り崩しはこれからでしょうと、近い将来の損失補てんを予期する発言をしていました。
参考:7月29日毎日新聞 信用保証協会連合会HP
〔2010.7.30〕
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