企業物価指数27ケ月連続上昇中!響く米中貿易戦争、原油高で800品目以上が値上げ
米中貿易戦争、原油高、中国経済の減速が要因?
日銀は4月10日、3月の国内企業物価指数(平成27年=100)が101.5で前月から0.9%、前年同月から1.3%上昇し、27ケ月連続で上昇していることを発表しました。
米中貿易戦争や原油価格の上昇などを要因に、非金属市況の改善などで企業物価指数が上昇したとみています。
日銀でも「米中貿易交渉の進捗期待や、中国経済の減速への懸念が和らいだことが背景にある」と分析し、平成30年度(平成30年4月〜31年3月)企業物価指数は、2.2%上昇と2年連続上昇したことを公表しました。
企業物価指数、国内・輸出・輸入の3種から変動を測定
総務省統計局によると、企業物価指数とは、企業間で売買する物品の価格水準を数値化した物価関連の経済指標を表しており、物価の変動を測定する数値です。
企業物価指数には、「国内企業物価指数」と「輸出物価指数」、「輸入物価指数」の3種あり、物価指数の算出にはこれら3つの価格を日銀が毎月実施する価格調査において公表されています。
企業物価指数は、卸売段階での最終製品の前の企業間で売買される原材料や中間製品の価格変動を指数化しているため、消費者物価指数を予測する指標としても注目されています。
すでに生活に必要な800点以上が値上げ
この企業物価指数の上昇を背景に、消費者へも影響が出ており4月1日からはペットボトル飲料や乳製品、食塩など生活必需品約800点以上が値上げされました。
値上げの背景には、原材料の高騰や人件費、流通コストの上昇があり、10月の消費増税を前に消費者としては厳しい状況となります。
さらに、5月にはポテトチップスや大型ペットボトル飲料、6月には食用油やインスタントラーメンの値上げがすでにメーカー各社から発表されており、スーパーなど小売店では大量仕入れし、値上げを先延ばしする対策しかとれていません。
食料自給率は4割、「輸入物価指数」が値上げに影響
農林水産省によると、日本の食料自給率は約4割で世界の中でも低く、現在でもその割合は減少傾向にあり、食料は輸入に頼っているのが現状です。
日常、生活で使用される小麦や大豆、砂糖などはほとんどが輸入品であり、「輸入物価指数」が上昇すれば、いづれ消費者にその影響が出てきます。
企業物価指数が上昇すれば、生活に必要な食料品などは消費者に直接影響を与え、さらに消費増税で値上げ感が増すばかりであり、安倍政権による軽減税率やポイント還元などの施策で乗り切れるか今後の動向が注視されます。
●関連記事:「企業物価指数(5月):前年同月比4.2%下げ。814品目中478品目下落!/石油、非鉄金属、電力関連で目立つ」[2016.06.20配信]
[2019.4.19]
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