マンション発売実績の「西高東低」が鮮明に。首都圏前年同月比で7.4%減。近畿圏契約率は75%超え
鮮明になる「西高東低」
景気動向の重要な指標である「マンション発売実績」では、「西高東低」が鮮明になっています。不動産経済研究所が発表した1月のマンション市場動向調査で、近畿圏の新築マンション発売戸数が、約26年ぶりに首都圏を上回りました。新築マンションの高値で客離れを起きつつある首都圏と、郊外のファミリー向け物件を中心に需要が堅調な近畿圏の差が出ました。
首都圏の発売戸数7.4%減
調査によると、首都圏の新築マンション発売戸数は、前年同月比7.4%減の1384戸でした。価格高止まりに伴う需要不振。それに加え、年末の大量供給の反動が1月に出ました。建設現場での人手不足や、アベノミクスによる不動産市況の好転が招いた工事費の高騰も改善していません。平成28(2016)年の工事費は平成25(2013)年比で1割強高く、マンション価格はバブル期並みと言われます。
近畿圏の1月平均価格3341万円は首都圏の半額以下
一方、近畿圏では、70%が好不調の目安となる契約率で、首都圏の61.6%をはるかに上回る75.1%を記録しました。手の届きやすい価格帯のファミリー向けが人気なのに加え、1Kタイプなどの投資用物件も増え、供給増につながっています。価格でも、1月の平均価格は3341万円と、首都圏の半額以下。平成28(2016)年の平均価格も3919万円で、首都圏の約7割の水準です。不動産経済研究所では、「手の届きやすい物件に人気が集まっている」と見ています。
高止まりなのか、値下がりか
今後の首都圏のマンション市場については、見方が分かれます。都心回帰の流れは変わらないため、引き続き新築マンション価格は高止まりするという予想があります。反面、マンション用地が少なく、開発案件が限られていることから、工事費が下がり、価格も値下がりするとする声も出ています。
●関連記事:「首都圏マンションの年間契約率68.8%。好不況目安の70%を7年ぶりに割る」[2017.2.18]
[2017.3.25]
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