奨学金、返済猶予が終了!延滞金は683億円
奨学金猶予、31年が最終!仮差押えも?
日本学生支援機構の奨学金を巡り、平成31年以降、10年の返済猶予期間が終了し、生活に困窮する元奨学生の増加が懸念されています。同機構では平成26年に経済的に返済が困難を理由に、返済期間を5年から10年に延長し、31年から返済が始まります。
重い傷病患者など一定の条件があれば無期限の猶予が認められますが、収入不足が理由の猶予は原則、打ち切られます。
返済の催促から9ケ月以上経過すると、同機構から返還訴訟を提起され、給与や預金などの差し押さえを受ける可能性もあり、弁護士などは懸念を示します。
大学奨学金の3ケ月以上の債権、600億円超え
厚生労働省の平成29年「賃金構造基本統計調査」結果によると、大卒者の平均初任給額は20万6,000円ですが、社会保険や税金が引かれるため手取りは約16万7,000円。返済額は月平均約3万円となっています。
奨学金の平均返済額は利息を含め平均約400万円と、家賃が発生する場合には相当な負担となり、平成28年度、3ケ月以上の延滞債権は683億円に上ります。
経済的理由で返済のためアウバイトする学生も多く、長時間のアルバイトで学費を稼ぎ、学業そっちのけの学生もいるのが現状です。
財政難の日本において「教育無償化」は可能なのか大学教授など有識者団体では日本弁護士連合会に「教育無償化」を国へ勧告するよう要請しています。
財務省、奨学金の保証人は第三機関へ
財務省は11月2日、財政制度等審議回の分科会で、増加する奨学金返済の延滞に対応するため、奨学金申し込みの際に外部機関による保証を求めることを提案しました。
延滞金の回収にも時間がかかっており、5年以上の長期延滞が全体の約6割を占めています。
現在保証人は、親族などや外部機関を選ぶことができますが、今後は延滞金を強制的に回収できる外部期間のみとすることを求めました。
「教育無償化」は国連納得済み
日本は、国連の社会権規約である「無償教育の斬新的な導入」に拘束されていませんでしたが、外務省は平成24年9月にその拘束されない権利を撤回することを国連事務総長に通告。
よって、日本は法整備や財政的な措置などを講じ、「教育無償化」を進める責任を負うことになっっています。
「教育無償化」より、授業費値上げ?
国立大学の授業料は、文部科学省が規定する標準額を元に各大学で決められますが、標準額は53万5,800円でしたが、今年9月より東京工業大学は標準額から63万5,400円、東京芸術大学は同64万2,960円に引き上げられました。
「教育無償化」どころか国が授業料引き上げと、他の大学などにも波及し学生や入学を志す人々の負担がさらに増すことが懸念されます。
●関連記事:「サービサー法改正!?銀行融資債権のほか公共料金・携帯電話代・奨学金も取扱対象に?」[2018.6.29配信
]
[2018.11.16]
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