シニア起業家63万人:一億総活躍社会/会社人生の蓄積を活用
人口の4%、シニアの起業家63万人、
「第二の人生と生きよう」とばかり、人口の4%を占めるシニア(55~64歳)で起業するケースが増えています。シニア起業家は推定63万人とされ、過去10年間の伸び率では先進国平均を上回りました。長寿化、年金受給開始年齢の引き上げ、子ども世代の安定しない暮らしぶりなどが背景でしょうか。起業家の割合そのものは先進国平均以下で、今後に期待です。
「24時間見守りシステム」のムダから着想
東芝((株)東芝:東京都港区 綱川智社長)の社員だったA氏(65)は、同社で35年間、画像センサーの研究に従事した後、平成27(2015)年、被写体の動きがある時だけ画面に状況を映す監視システムを開発、SEtech(神奈川県藤沢市)を設立しました。定年後にコンサルタントとして介護現場を見学した際、高齢者を24時間見守るシステムのムダに気づいたのがきっかけといいます。東芝時代、100件以上も特許申請をしており、特許事務所に依頼する経費を抑えることもできました。日常のちょっとした気づきから発想する姿勢が見事です。
社員向け講座の依頼をきっかけに
B氏(64)は、花王(花王(株):東京都中央区 澤田道隆社長)で25年間、理美容業務品の商品開発などに携わりました。定年退職後、花王から社員向け講座を実施してほしいと依頼されたことをきっかけに起業を決意。平成23(2011)年、青山プロジェクト・YKA(東京都中央区)を設立しました。地域活性化につながる商品開発や美容関連のコンサルティングを行っています。
個々人の会社人生の蓄積が救いの手に
過去の経験を生かす。市場調査などには、現役時代のノウハウや人脈を活用する。会社人生の蓄積は、やはり活用しなければもったいない。それが一億総活躍社会であり、巡り巡って、技術力を持ちながら、海外製品との価格競争に苦しむ町工場などを救う力にもなっていくでしょう。
●関連記事:「シニアの起業急増、若年層ベンチャーは過去最低水準/企業活動率:米国12.3%日本5.2%」[2012.8.15配信]
[2017.6.13]
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