春季労使交渉スタート。ベア要求は月額6000円「以上」で昨年超え
今年は月額6000円「以上」
日本の「ものづくり産業労働組合」(JAM)が今年3月、春季労使交渉の要求書を提出しました。春季労使交渉で、月額6000円「以上」のベアを要求します。昨年の「6000円」より高い要求です。これで中小企業の賃上げ交渉が事実上スタート。人手不足、政府主導の残業規制など働き方改革、そして賃上げと、中小企業の経営者には厳しい交渉が始まります。
人手確保と賃上げ両立は至難の業
加盟企業の1つ、アート・プラ((株) アート・プラ:東京都江戸川区 横田浩崇社長)の横田浩崇社長は、「この状況下でどうやって賃上げ原資を捻出すればいいのか」とコメントしました。人手不足が深刻な運輸業にあって、約30人の社員を抱える立場としては悩ましいところ。人を取れなければ、売り上げは伸びない。しかし、人手確保と賃上げの両立は至難の業です。政府は、繁忙期は月100時間、または2~6カ月の月平均80時間を上限にした残業制限を検討中ですが、大手企業の都合に応じざるを得ない中小企業には難題でしょう。
少ない社員が多能工化
金属加工の昭和製作所((株)昭和製作所:東京都大田区 舟久保利和社長)は、タブレット端末を活用し、工程管理システムの抜本的見直しに入りました。生産現場が忙しい時は営業担当者が補助するなど、少ない社員が「多能工化」し、1日の残業時間を2時間程度に抑える工夫です。日本電産(日本電産(株):京都府京都市 永守重信社長)など大手が、約1千億円かけて自動化機械などを導入し、時短を進めているのに比べ、苦労はひとしおです。
アルバイト時給は初の1000円超え
リクルートジョブズ((株)リクルートジョブズ:東京都中央区 柳川昌紀社長)によると、三大都市圏のアルバイトやパートの時給は昨年11月に初めて1000円を突破。パート並みに社員の賃金を上げれば、経営を圧迫し、逆に社員を困らせる。経営者の悪戦苦闘が続きそうです。
●関連記事:「春闘:中小企業のベースアップ、大手を上回る/人手不足関連倒産:昨年300件」[2016.4.20配信]
[2017.3.10]
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