企業倒産は減少!水面下ではリスケ後の倒産増加!震災関連倒産は1千件超えに経産省、全国580ケ所に相談窓口設置
負債総額は前年から大幅減少、中小・小規模企業倒産は増加傾向
東京商工リサーチが3月8日発表した2月の全国企業倒産状況によると、前年同月比11.7%減の916件と4ケ月連続前年同月を下回りました。中小企業金融円滑化法の金融支援が依然として企業倒産を抑制しており、2月としては過去20年間で最少件数となっています。
負債総額では、前年同月比72.7%減の1,719億7,100万円と前年を大きく下回り、負債10億円以上の大型倒産が28件にとどまるなど倒産の小型化が増加。従業員50人未満の企業倒産は同55.8%増と中小・小規模企業の倒産が目立ちます。
リスケ後の倒産:4割が小規模企業、製造業は前年から倍増
一方、中小企業金融円滑化法のリスケジュール(条件変更)後に倒産に至った企業は36件と平成22年1月の調査開始以来、最多となりました。負債総額は108億2,500万円と負債1億円未満が全体の36.1%の13件。小規模企業の倒産が約4割を占めました。
今年1月〜2月の円滑化法倒産は累計61件。産業別では製造業が前年同月比200%増の18件と全体の約3割を占め、工場閉鎖・縮小など大手製造業のリストラの煽りを受け、依然厳しい状況は続きます。
倒産原因:販売不振が前年から6割増加
倒産に至る原因では、販売不振が37件と前年から6割増加しており、赤字累積など既往のシワ寄せも11件と前年から8割増加。リスケジュールなど一時的な金融支援により資金繰りが安定しても、売上げを伸ばすため事業の高付加価値化や差別化などのほか、事業多角化や新市場参入、転業など経営改善が重要となります。
経済産業省は3月6日、中小・小規模事業者経営改善支援対策本部の会合を開催し、3月8日より全国580ケ所に「経営改善・資金繰り相談窓口」を設置。全国の経済産業局や信用保証協会、日本政策金融公庫などで相談窓口を設け、経営改善・資金繰りへの施策を紹介、個別相談を受け付けます。
東日本大震災関連の倒産1,139件、阪神大震災の3,4倍のペースで倒産増加
東日本大震災から2年が過ぎ、影響を受けた企業倒産は1,139件。同じ2年間で比較すると阪神大震災関連倒産の約3,4倍のペースです。中小企業庁によると、中小企業向けの「東日本大震災復興特別貸付」は今年2月22日時点で23万8,028件。金額では5兆1,992億円まで達し、支援を求める中小企業が多いことが浮き彫りとなっています。
全国の企業倒産は減少傾向にあるものの、水面下では中小企業など依然厳しい環境におかれています。中小企業金融円滑化法の期限を控え、全国の相談窓口の利用や、不動産リースバックでの資金調達など早めの準備が必要です。
●関連サイト:セントラル総合研究所オフィシャル「リスケ終了前、不動産リースバックで資金調達」
●関連記事:「中小向け補正予算成立!保証協会、政策金融公庫「資金繰り・事業再生・新事業展開」へ金融支援」[2013.3.4配信]
●関連記事:「地元企業の資金繰り支援ABL(動産担保融資)地銀64行が始動!担保価値データ共有で円滑に資金供給」[2013.2.20配信]
[2013.3.15]
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