民泊考②:厚労省調査。営業許可は1万5000件中の16.5%。無許可は30%。罰則3万円から100万円に引き上げも
1万5000件中30%が無許可と判明
観光立国ニッポンのカギとして、国が進めている「民泊」。住宅を宿泊施設として活用するこの民泊について、厚生労働省が、全国の約1万5000物件を対象にした初の調査結果を発表しました。驚いたことに、少なくとも30%が無許可、つまり違法影響でした。営業許可を得ていることが確認できたのは16.5%に過ぎません。これでは、外国人旅行者の信頼を得られません。
営業許可を得ていたのは2505件
同省は、昨年10~12月、インターネット上で紹介されている「民泊仲介サイト」から全国の1万5127件の物件を抽出し、営業実態について調べました。その結果、無許可営業が4624件。営業許可を得ていたのは2505件。残りの7998件(52.9%)については詳細な住所の情報がなく、物件の特定ができないなどの理由で、詳細な実態もつかめませんでした。
宿泊料半額以下の「安かろう悪かろう」
1泊当たりの平均宿泊料金は、許可を得ている物件が1万6571円。これに対し、無許可物件は7659円と半額以下です。「安かろう悪かろう」がまかり通っていると推測されます。旅館業法に基づく許可制の形式が最善かどうか議論の余地もありますが、無許可営業が横行していては、近隣住民とのトラブル、宿泊者同士のトラブルなど、アクシデントに対応できません。
罰則引き上げ、3万円から100万円に
この事態を受けて、厚労省は近く、無許可営業の罰則を大幅に引き上げる旅館業法改正案を国会に提出します。罰金を、現行の最高3万円から100万円に引き上げることが柱です。営業日数などを制限した上で旅館業法より緩やかな規制を適用する新法も検討中です。民泊という足元がぐらついては、「おもてなし文化」も実を結びません。何事も足元が肝心です。
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[2017.3.9]
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