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東京都の令和4年度制度融資が受付終了間近!注目はコロナ融資の特別借換

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コロナ関連支援の「特別借換」が7月に拡充、利子補給や保証料補助も
令和4年度(2022年度)の「東京都中小企業制度融資」の受付期限が3月末日に迫ってきました。東京都中小企業制度融資は東京都・東京信用保証協会・指定金融機関が連携して行なう融資で、さまざまな融資メニューが揃っていますが、今年度の目玉は7月にリニューアルした「特別借換(新型コロナウイルス感染症対応緊急融資等)」でしょう。

コロナ禍の長期化やウクライナ紛争、物価高騰などにより経済の混乱が続くなか、中小企業の経営環境は依然として厳しいのが現状です。すでに受けた東京都のコロナ関連融資の返済が始まるというのに、業績が十分に回復していないという企業も多いと思います。「特別借換」は、毎月の返済額を減らしながら融資を一本化し、それと同時に、経営改善のための運転資金を借りることができます。
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借り換えの対象となる東京都コロナ融資は次のとおりです。
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借入金の返済をしながら、それと並行して事業を立て直し、収益を出すまでには時間を要します。経営者のなかには、「今より借金の額が増えることになるから」などの理由で借り換えに対して否定的なイメージを持っている人もいますが、返済と経営改善を同時進行するために借り換えを利用して運転資金と時間の猶予を得るのは、しごく合理的で真っ当な方法です。返済条件の変更(リスケジュール)で一時しのぎをする手もありますが、会社の信用を毀損することになりますから、先行きの不透明な非常時には特に慎重になるべきです。

制度融資のデメリットといえば、東京都・東京信用保証協会・指定金融機関の三者が連携する仕組みのため手続きが若干複雑になることぐらいです。ただし、申込みから融資まで金融機関の窓口でできますので、難しく考えることはありません。

リスケの前に、まずは制度融資の情報収集
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東京都中小企業制度融資には各企業のニーズに合わせて多様なメニューが揃っています。資金繰りサポート、経営強化、創業、事業承継などの一般的な融資メニューのほか、緊急時の資金繰り支援が加わることもあります。例えば、7月には前述したコロナ融資の特別借換とは別に「ウクライナ情勢・円安等対応緊急融資」も新設されました。

そのほか、制度融資には各自治体が推進する政策に関連する融資が組み込まれています。東京都が現在進めているDX(デジタルトランスフォーメーション)、働き方改革、女性活躍推進、テレワークなどの取り組みを支援する融資は、時流に対応するための具体的な投資に繋げることができます。

中小企業にとって制度融資は非常によい制度なのですが、現状、周知が徹底されているとはいえず、ただ待っていても案内が届くわけではありませんから、積極的に情報を取りにいきましょう。「東京都 制度融資」でインターネット検索をするか、東京都産業労働局のウェブサイトを参照するのが簡単です。年度途中にメニューの一部が改定・拡充されることもあるので、こまめに最新情報をチェックしてください。


[2023.1.31]

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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
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